ここから本文です

韓国、兵役免除の重圧でエース空回り。自国記者が敗因を分析【リオ五輪サッカー】

フットボールチャンネル 8/15(月) 10:29配信

 試合内容で圧倒しながらもホンジュラスに惜敗。あと1点が遠く、リオ五輪男子サッカーで敗退した韓国。自国の記者は敗因を“気負い”と分析する。エースであるソン・フンミンにボールを集めるも、兵役免除がかかる彼は気持ちが空回りしていた。(文:キム・ドンヒョン【城南】)

【動画】パンツ一丁で番組に登場したリネカー氏

最高だったグループステージ。ベスト8でも相手を圧倒したが…

 兵役免除の強い意志が表れた試合運びだったが、決定力が運命を決めてしまった。韓国は14日(日本時間)ベロオリゾンテのミネイランスタジアムで開かれたリオデジャネイロ五輪サッカーベスト8第三試合でホンジュラスと対戦。ボールポゼッション7:3と試合を圧倒しながらも後半14分、ホンジュラスにこの試合唯一のカウンターチャンスを決められ、0-1と惜敗した。

 ソン・フンミン(トッテナム)、ファン・ヒチャン(レッドブル・ザルツブルク)、ソク・ヒョンジュン(FCポルトー→トラブゾンスポールへのレンタル移籍決定)など欧州で活躍するFWを前線に置き、16本のシュートを放つも無得点。

 しかも韓国はグループリーグで12ゴール(フィジー戦:8ゴール、ドイツ戦:3ゴール、メキシコ戦:1ゴール。失点はドイツ戦の3失点のみ)と、この日の試合まで大会最高レベルの攻撃力を誇っていた。相手のシュート数やチャンスが韓国には比べ物にならないほど少なかったことを考えると選手らが結果に納得いかなくても理解できる。

 試合は申し分のない内容だった。「パーフェクト」といえるゴール前でのチャンスが少なくとも5回はあったが、キーパーの好セーブに封じられた。1ゴールでも相手より先に決めていれば、試合の結果は変わったかもしれないほど、決定力の物足りなさが足を引っ張る形となった。相手の過度な時間遅延行為もあったが、そのチャンスを活かしきれなかった決定力を嘆くべきであろう。

不安要素だった「ソン依存症」が露わに。兵役問題で過剰に意識

 ソン・フンミンは間違いなく名実ともに韓国を代表する大スターだ。24歳の若さにして切れ味抜群のドリブルや得点力を武器にドイツ・ブンデスリーガで活躍。しかしただ一つ、彼のアキレス腱になっているのが兵役問題だ。

 これまで幾度の兵役免除のチャンス(2014年仁川アジア大会など)があったが、当時の状況が折り合わず不発。だからこそオーバーエージとして参加する今大会にかける彼の想いは人一倍強かった。

 そのためか、グループリーグではその闘争心が若手にいい刺激となったのは間違いない。得点も着実に積み重ね、若手が主軸のチームを牽引。まさしく大会への想いがむき出しになった。

 しかし、今日の試合ではある意味、ソン・フンミン招集が逆効果として露わとなってしまった。気負っているソン・フンミンにあまりにもボールを寄せてすぎていたのだ。もちろん選択肢として、オプションとしてゴールが必要な際に一番信頼できる選手にボールを寄せるのは当然かもしれない。

 だが、彼を通さずにシュートを放つ場面が増えるなど柔軟性がもっとあれば――たとえば、両サイドを活発に動きながらチームの攻撃を活性化させたファン・ヒチャンを活かすシーンがもっとあれば、違うチャンスが巡ってきたのでないか。

 しかも、この世代は2014年アジア大会でソン・フンミンがいない状態で、金メダル獲得の成果を出している。つまり、チームとして勝利を収めた「経験」を持っている世代。個人に頼らずに、チーム全体の動きを活かすシーンがもっとあったら、この試合の結果も変わってきたのではないか。

 ソン・フンミンは8本のシュートを打ちながらも無得点に終わった。兵役が頭にちらつき、過剰に意識してしまった彼への依存があまりに高く、それが負のサイクルにつながったことは否めない。

1/2ページ

最終更新:8/15(月) 10:58

フットボールチャンネル

記事提供社からのご案内(外部サイト)