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“18歳選挙”が生む、新たな ビジネスモデルの可能性

HARBOR BUSINESS Online 8/15(月) 9:10配信

◆地域経済密着、スマホ、若者コンテンツがカギ

 改正公職選挙法が6月19日に施行され、参院選で「18歳選挙権」の導入がおこなわれた。18、19歳の有権者約240万人が加わるという大きな変化が生み出す経済効果について、「アゴラ」編集長の新田哲史氏は次のように話す。

「これからの選挙におけるキーワードは3つ。①ソーシャル(社会参画)、②スマホ、③若者向けコンテンツ。これらを活用した新規ビジネスは出てくると思います」

 地域密着型のスモールビジネスは既に芽を生やしている。

「規模の大きなビジネスにはなっていないですが、投票済証明書を商店街に持って行くと割引を受けられるサービスが12年頃から既にあります。今年は20歳以下を対象に、埼玉県川口市の揚げ物店でメンチカツバーガーが半額になるサービスもありました。ほかにも札幌のゲームショップでは18禁ゲームを最大1千円割引にする試みも話題に。ただ、これはあくまで選挙期間中のスポット的なビジネスなので、今後は中長期的なタッチポイントを作る必要性がありますね」

◆「ネットで票は動かない」はもはや過去の話

 そこで注目されるのが、スマホや若者向けコンテンツだ。

「落選した三宅洋平氏が行った、LINEで動画を拡散する手法は功を奏しました。事前調査では三宅陣営は、せいぜい10数万票の“泡沫”予想でしたが、この手法だけで25万票を獲得。ひとえに彼の功績とは言い難いですが、東京都での10代の投票率は約45.5%と予想以上に高い結果を残しています。若い層を取り込むためにも、今後はwebマーケティングやプロモーション代理店を行うベンチャー企業が増えてくるかもしれません。さらに代理店の評価基準をまとめるプラットフォームも必要かもしれませんね」

 また、「ネットで票は動かない」と言われていたが、やり方によっては若年層にヒットすることもわかってきた。

「山田太郎前議員は再選できませんでしたが、マンガ、アニメ、ゲームなどの『表現の自由』を主張してネットメインの支援を訴えかけた結果、29万1千188票を獲得しました。6年前の初出馬時は3万票でしたから、約25万票はネットから獲得した部分が大きい、と注目を集めています」

◆”週刊少年ジャンプの3原則”で若者に政治を解説?

 ほかにも、音喜多駿・東京都議会議員は『ギャル男でもわかる政治の話』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)を出版し、発売2週間で2回の増刷がかかるなど異例のヒットを打ち出した。

「週刊少年ジャンプの『ジャンプ三原則』やマンガ『ワンピース』など若い世代に共感できる例を挙げてわかりやすく政治を解説するだけでなく、容姿端麗で、ツイッターのフォロワーが1万人を超える“ギャル男”君たちとコラボしたのは画期的だと思います」

 ただ、若者をターゲットにしたコンテンツが乱立し、行き過ぎたプロモーションが一種の扇動を誘う恐れもあるが……。

「そうならないためにも、地域密着のソーシャルコミュニティを重視した動きが求められます。若者たちによるソーシャルビジネスがより活発になるとともに、政治家が公金を使わず、若者向けクラウドファンディングを利用し、地域問題を解決していく動きも面白いと思います」

【新田哲史】

全国紙の社会部記者を経て、言論プラットフォーム「アゴラ」編集長。コラム執筆や評論を行う傍ら、企業広報アドバイザーとしても活動。http://nittatetsuji.com/

<取材・文/HBO編集部>

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:8/15(月) 9:10

HARBOR BUSINESS Online

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