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ひじきやわかめがスイーツに!? 和歌山発、ユニークな乾物おやつ

CREA WEB 8/15(月) 12:01配信

 和歌山県北部の海南市は、古くから熊野詣への要衝として栄えてきた土地。今は、大阪市内から車で約1時間で到着です。

 訪れたのは、その名も「3時のかんぶつ屋さん」。乾物を使ったお菓子があると聞いて、ずっと気になっていたお店でした。

 阪和道海南ICから和歌山方面に約1分。倉庫の端にお店を発見。中に入ると、乾物とお菓子がずらりと並び、奥の厨房には大きなオーブンが置かれて、お菓子を焼く甘い匂いが漂っています。

「子供からお年寄りまで、広く長く乾物に親しんでもらいたくて、おいしいおやつを色々工夫して作っています」

 店主の野田智也さんは、1976年生まれ。大学卒業後、銀行員をしていましたが、29歳で、1949年に祖父が創業した食品卸売会社・野田商店に入社。扱っている乾物について勉強し、かんぶつマエストロの資格を取得。それだけにとどまらず、「栄養や天然の旨みをたっぷり含み、健康にも良い素材・乾物を、世代を超えて愛されるスイーツにして提供しようと考えたんです」。今までにない乾物を使ったお菓子作りにチャレンジし、2011年11月23日に「3時のかんぶつ屋さん」をオープンさせました。

「乾物の需要は減っています。見た目が地味で使いにくいと思われていますし、子供は全く喜ばない。乾物を明るいイメージにして、若いお母さんとその子供達に伝えたい。そうしないと、乾物という食文化が残りません。そこでとりあえず、乾物スイーツにして食べてもらおうと思った。姿や形を変えてでも子供に食べさせることが大切です。大人になってから、幼少期に食べた記憶を思い出して食べようと思ってもらえたら、生涯の健康につながるから。

 そして、子供達だけではなく、お父さんにはメタボに、お母さんにはダイエットに、おじいさんやおばあさんには長寿食として、乾物スイーツを食べてもらえたら(笑)」

ひじきのシフォンケーキの作り方

 お店の看板商品、ひじきのシフォンケーキの作り方を見せてもらいました。

 材料は、卵、粗糖、小麦粉、乾燥ひじき、無塩バター、食用油脂、昆布、醤油、ベーキングパウダー。卵は野田さんの友人が有田郡有田川町で飼育する「青空たまご」。

 鮮やかな色、つやつやの卵をたっぷり使います。

 乾燥ひじきは、水で戻してから醤油を加えた昆布だしで煮て、ブレンダーでペースト状とやや粗めにしたもの、2種類を作って加えています。「ひじきの食感と存在感を出すためです」。

 他は、普通のシフォンケーキの作り方と変わりませんが、ひじきのペーストが入る分、水分の調整がたいへん難しかったとか。

「ひじきをどれくらい入れるかもポイントでした。パティシエールだった従姉妹を中心に、1年かけて試行錯誤して完成させたんですよ」

 ふんわりしていますが、噛むとむっちり。ほんのり醤油の香りがして、昆布だしの旨みが広がります。ひじきの食感と風味もさりげなくて、とても食べやすい。今まで食べたことのないシフォンケーキ。

 ひじきのシフォンケーキをスライスしたラスクは、クッキーなどとはまた違った味わい。こちらもクセになるおいしさです。

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最終更新:8/15(月) 12:01

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