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夏の甲子園で好投手を攻略するための意外と原始的な方法

NEWS ポストセブン 8/16(火) 16:00配信

  今年の夏の甲子園は好投手が多い。負けたら終わりのトーナメントでは、各校ともその対策に力を入れてくる。果たしてどのような策があるのか、取材してみた。すると、意外な「作戦」が効果あることがわかったという。現地で取材するフリー・ライターの神田憲行氏がレポートする。

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 どんなチームでも相手チームの投手後略に対策を練る。オーソドックスなものは、相手投手と同じフォームの打撃投手で打撃練習をする。左腕の下手投げみたいな珍しいタイプの投手など自分のチームにいない場合は、OBを呼んで投げてもらったりする。球の速い投手なら、マウンドのプレートから1メートルか2メートルくらい前に立たせて投げてもらい、速さに「目慣れ」する。

 相手投手の変化球、配球も分析する。昔は相手投手のビデオを入手するのに苦労したものだが、いまはファンがネットに上げていたりするので、それを見る場合も多い。

 私が印象深いのは1998年の横浜高校だ。鹿児島実業の杉内俊哉投手の縦に割れる大きなカーブの軌道にバットを合わせるため、ホームベースの上にボールを置いてゴルフのように打つ練習をしていた。またPL学園はその横浜の松坂大輔投手を攻略するため、速球の「目慣れ」をした上でストレートを捨ててカーブに狙いを絞った。「変化球は遅い球」という意識を植え付けるためだった。

 今大会ではどのような対策を各校が練っていたのか。

 まずは今大会屈指の左腕である履正社の寺島成輝投手と初戦で対戦した高川学園は、4番石丸隆哉選手は試合前にこう話していた。

「左腕のOBに毎日プレートの5メートル手前から投げてもらいました。速すぎて『当たるわけないだろ』と思いました(笑)。バッターは打席でホームベースギリギリに立って、内角に投げさせない作戦です。三振取りに来た球に当てるだげても食らいつきたい」

 このベースのギリギリに立つというのもよくある作戦である。内角の球は死球になる確率が上がるので、投手は外角寄りの配球になる。そこを狙い打つ、というわけである。しかし高川学園は2安打1点に抑えられた。石丸は、

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最終更新:8/16(火) 16:00

NEWS ポストセブン