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名優たちの”セカンドライフ” #013「ミシェウ・バストス」

footballista 8/16(火) 11:28配信

月刊フットボリスタ第36号より

欧州のトップリーグで輝かしい実績を残した名優たちが、新たな挑戦の場として欧州以外の地域へと旅立つケースが増えている。しかし、そのチャレンジの様子はなかなか伝わってこない。そんな彼らの、新天地での近況にスポットライトを当てる。

#013 from BRAZIL
Michel BASTOS
ミシェウ・バストス
(サンパウロ/元ブラジル代表)


リーダーとして。プレーも情熱も衰え知らず

 リールとリヨンで計7シーズンを過ごしたフランスをはじめ、ドイツ(シャルケ)やイタリア(ローマ)などでプレーしたミシェウ・バストスが欧州でのプレーに終止符を打ち帰国、サンパウロに加入したのは14年のこと。

 加入初年度となった同年に公式戦27試合で4ゴール8アシストをマークすると、半年間のレンタルで加入しピッチの内外でリーダーとなっていたカカーがオーランド・シティへと旅立った翌15年は彼の役割を引き次ぎ、チームに欠かせない存在となる。休日には、チームメイトたちを自宅に招いて故郷ヒオグランデドスウ州のスタイルでシュラスコ(ブラジル流バーベキュー)を楽しむなどチームにもすっかり溶け込んだ。


■「求む!バストス」の声多数


 そんな彼だが、苦しい時期もあった。昨季の終盤、厳しい展開を強いられスタジアムにブーイングが鳴り響いた試合でゴールを決めたバストスは、スタンドに向けて「黙ってろ!」のジェスチャーをしてしまう。それ以来、クラブが不調に終わった試合では、サポーターの批判が彼に集中し始めた。しかも、時を同じくして彼がビールを飲んでいる写真がネット上に出回ったのも不運だった。今年に入りケガに見舞われ欠場が続いた時には、アルコールによる不調との噂まで飛び交った。

 しかし、彼の実力とチームへの貢献度はそれまでの活躍で一目瞭然。そこで、このバストスとサポーターとの不協和音を好機と見て、リオ4大クラブの一つ、フラメンゴのサポーターが「求む!バストス」と、彼を獲得するためのキャンペーンを展開し、大いに盛り上がったほどであった。

 それでも、ケガが治った今は再びサンパウロの牽引役に戻っている。もともとやんちゃな面はあったが、以前は情熱を内に秘めたタイプだった。それがサンパウロに移籍して以来、リーダーとして感情を表に出すようになっている。

 今季のコパ・リベルタドーレス準々決勝アトレチコ・ミネイロ戦のホームゲームでは、ゴール後スタンドに駆け寄るバストスに応えてサポーターが殺到。柵が壊れて25人がピッチに転落するという大事故が起きてしまった。率先してケガ人の搬送を手助けした彼は、負傷した少年の1人が自分の大ファンだと聞くとわざわざ電話番号を聞き出して直接少年を励ますという温かい一面も見せた。

 この7月にチームの主力だったガンソがセビージャへと移籍。サポーターの信頼と愛情を完全に取り戻したバストスの重要性は増すばかりだ。本人も「僕の役割はFWのためにチャンスを生み出すことであり、自らゴールを決めること。ガンソがいなくなることで責任も増すけど、できるだけベストな形で貢献したい」と決意を新たに。チームメイトを鼓舞するのもうまく、誰かが移籍で去ればそれに代わる選手への応援をサポーターに呼びかけるのも彼の十八番となった。

 彼自身は「サンパウロで現役をまっとうしたい」と語っているが、「コリンチャンスが獲得を狙ってGKバウテルをサンパウロに提供しようとしている」「そこにインテルナシオナウが参入!」など引く手あまた。8月2日に33歳となったが、躍動する姿をこれからも見せてくれそうだ。

(文/藤原清美)


■プロフィール
ミシェウ・バストス
(サンパウロ/元ブラジル代表)
1983.8.2(33歳)
179cm / 73kg MF BRAZIL

2001-02 ペロタス
2002-03 エクセルシオール (NED) on loan
2003-06 アトレチコ・パラナエンセ
2004 グレミオ on loan
2005 フィゲイレンセ on loan
2006-09 リール (FRA)
2009-13 リヨン (FRA)
2013 シャルケ (GER) on loan
2013-14 アルアイン (UAE)
2014 ローマ (ITA) on loan
2014- サンパウロ

最終更新:8/16(火) 11:55

footballista

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