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ドローンアジアカップ、中国、韓国に完敗

Wedge 8/16(火) 11:10配信

 ドローン(小型無人機)の国際競技大会「ドローンインパクトチャレンジアジアカップ2016」が7月29~31日の3日間、秋田県仙北市で開催された。国内初の国際競技大会で、韓国、中国、シンガポールなど日本を含む7カ国から約70人の選手が参加した。時速150キロにもなるハイスピードでの熱戦が繰り広げられたこの大会で目立ったのは、海外勢の圧倒的な強さ。大会の花形競技「マスタークラス」では、日本人選手が準決勝で全員敗退し、ほかのレースでも国内勢しか参加しなかったレースを除くと海外勢が上位をほぼ独占した。国内勢の苦戦の背景にあるのが、競技用ドローンに対する規制の厳しさ。初の国際大会を通して、課題が浮き彫りになった格好だ。

スピードと迫力で人気急伸中のドローンレース

 ドローンレースは競技用の小型のドローンを使い、パイロットはドローンの搭載カメラからリアルタイムで受信する映像(FPV)をヘッドマウントディスプレイ(頭部装着ディスプレイ)で確認しながら操縦する。最高時速150キロにもなるスピードと、搭載カメラの迫力満点の映像が大きな魅力だ。

 FPVを使ったドローンレースは近年競技人口が急拡大し、国内外でレース開催が相次いでいる。特に今年3月にドバイで開催された「ワールド・ドローン・プリ」は、賞金総額が1億円以上に達したこと、優勝したのが15歳の少年率いるイギリスチームだったことなどで話題を呼んだ。国内でも競技人口が増え、レース開催が相次ぐ中で、今回初の国際大会「ドローンインパクトチャレンジアジアカップ2016」が開催されたのだ。

 韓国のランキング1、2位の選手、中国の大会優勝者など、日本も含めアジア7カ国のトップレベルのパイロットが結集したアジアカップ。国家戦略特区でドローン特区の秋田県仙北市が開催地に名乗りを上げ、内閣府地方創生推進事務局が特別後援、外務省、国交省、経産省などが後援した。

高かった海外の壁

 こうして鳴り物入りで挙行された大会だが、ふたを開けてみると目立ったのは海外勢の活躍ぶりだった。外国選手が競技に参加した3種目の入賞者を以下に並べてみる。

* * *

【マスタークラス】 優勝 キム・ヒョンソプ(韓国)、準優勝 リ・クンファン(中国)、3位 リ・チャンハン(韓国)
【フリースタイルクラス(自由飛行)】 優勝 リ・クンファン(中国)、準優勝 矢田篤幹(日本)、3位 アクセル・マリオ・クリストファー(インドネシア)
【コネックスプロサイトアストロクラス(次世代デジタルビデオトランスミッターを使用した世界初のレース)】キム・ヒョンソプ(韓国)

* * *

 日本人で入賞したのはフリースタイルの矢田選手のみで、海外勢の優位は明らか。「国内のパイロットも伸びてきているが、まだ海外とは実力差がある」大会の実行委員の1人で、ドローン競技大会の企画・運営会社「FPV Robotics」の駒形政樹社長はこう話す。

 「日本ではFPVを使った競技の歴史が浅く、昨年11月に国内初のレースが開かれたばかり。それに対して、韓国、中国ではレースが始まって2、3年たっており、選手の出場回数も多い」

 歴史の浅さは競技人口にも直結しており、海外と国内を比べると「選手層の厚さの違いは圧倒的」(駒形社長)だという。競技人口の多い韓国にいたっては、今年、ドローンのアマチュアリーグを立ち上げた。ただし、国内の競技人口が海外に比べて伸び悩んでいる背景にあるのは、競技の開始時期の遅れだけではない。ドローンをめぐる規制の厳しさも競技参入の足かせになっているのだ。

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最終更新:8/16(火) 11:10

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