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デザインで街を変える〈DESIGN 小石川〉の試み。

Casa BRUTUS.com 8/16(火) 15:00配信

東京・文京区の小石川にオープンした〈DESIGN 小石川〉は、ギャラリースペースや複数のショップで構成された新しいデザイン施設。

街の空気が変わるきっかけになりそうなユニークな場所だ。その仕掛人、建築家の芦沢啓治に思いを聞いた。

数か月前、建築家の芦沢啓治は、築約50年のオフィスビルの2階に位置する物件に出会った。場所は彼が長年にわたって設計事務所を構えている小石川。580平米もの広さがあり、神社に隣接するロケーションにも趣がある。〈DESIGN 小石川〉は、そのスペースを使って新しいデザインの拠点が作れるのではという、芦沢さんのひらめきから生まれた。

「小石川は愛着をもって住んでいる人が多いし、商店街なども一通り揃っているけれど、あまりデザインとつながりの強い街ではありません。ただ、僕は近所に石巻工房のショールームを作ったり、寿司店の設計をしたりしていて、その点を繋ぐことで街の質が上がっていきそうだという直感があった。〈DESIGN 小石川〉のような場所ができれば、さらに大きな変化が起きると思ったんです」と芦沢さん。

スペースの約半分は自身がディレクションするギャラリースペースとし、あとの約半分は既知のデザイナーである小林幹也のショップ〈TAIYOU no SHITA〉が入った。毎週土曜日にはウィークエンドマーケットも開催する。いずれも今まで小石川にあまりなかったカルチャーを感じさせるものだ。

ギャラリースペースの第1回展覧会は、芦沢さんがこれまでに手がけてきた家具などのプロダクトを見せる『Keiji Ashizawa / MATERIAL AND STRUCTURE』展(8月23日まで開催)。素材の特性に合った加工法や形状を見きわめ、独自の構造を発想して機能に結びつける彼の作風を振り返るものだ。また自身がデザインディレクターを務める石巻工房の家具も展示。石巻工房は、東日本大震災の直後にDIYによって復興を支援する活動としてスタートしたが、現在は石巻発の家具ブランドとして国際的に評価を高めている。

「僕が設立からかかわっている石巻工房は、今ではすっかり町の人たちに信頼されて、地元の企業や街づくりのキーマンといい関係を築くようになりました。その様子にインスパイアされて、自分のいる街を振り返った時、小石川でできることを考えたという面もあります」と芦沢さんは話す。

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最終更新:8/16(火) 15:00

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