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ついに始動!「アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑建立計画『究極超人あ~る』再現イベ「轟天号を追いかけて」今年も開催!

おたぽる 8/16(火) 14:00配信

 今年もまた、飯田線・田切駅に多くの思い出が刻まれた。夏の恒例となった7月30日、アニメ『究極超人あ~る』再現イベント『田切駅→伊那市駅1hourBicycle Tour“轟天号を追いかけて2016”Go!Go!轟天号・伍(555.55)』が、開催されたのである。

 このイベントは、2012年に飯田線・伊那市駅開業100周年にちなむイベントの一つとして、伊那市役所自転車部などの有志によって企画されたもの。1991年にリリースされた『究極超人あ~る』OVA版のクライマックスシーンである、轟天号(ブリジストンの自転車・ロードマン)で、光画部の面々がタイムリミットの午後6時までに1時間で田切駅から伊那市駅までを走り抜くシーンを再現するものだ。

 最初から、自転車持参で田切駅に集合。もしゴールできなくても主催者のケアなしという、ホスピタリティのカケラもない募集を告知。主催者側も「誰も集まらないだろう」と思っていた企画に、全国から100名あまりが参集。その熱い想いを受けて、毎年の恒例イベントとなったのである。

 筆者が、このイベントに熱い想いを抱いているのは、毎年自転車持参でやってくる参加者、お見送りの人たちが『究極超人あ~る』という作品だけでなく、舞台となる土地を愛しまくっていること。参加者の多くが、イベント以外の時期にも、田切駅のある飯島町、伊那市駅のある伊那市を訪れ土地に親しみ、移住をも考えるようになっているのである。

 果たして、今年はどんな楽しいオトナの悪ふざけを見ることができるのか? 筆者は期待を抱きつつ、今年も自転車を持参で現地へ。

 ただ、今年は期待よりも不安がいっぱい。というのも、例年だと6月頃からトレーニングをして準備しているのだが、今年は参院選取材のために、まったくトレーニングできず。完走できるのか不安を感じつつ、伊那市の宿から自転車で田切駅へと向かったのである。……案の定、大田切川(伊那谷の文化圏を分ける険しい川)を越えたあたりで、まだイベントが始まってもないのに体力の限界が。

 さて、田切駅のある田切地区には、今年大きな変化が起こっていた。道の駅「田切の里」のオープンである。事前に、イベント参加者には記念品を贈呈することが告知されるなど、歓迎の準備をしていると聞き、期待しながら訪れてみた。そこにあったのは「歓迎 アニメ轟天号を追いかけて」という文字。作品タイトルが……と思いつつも、その心意気に感動だ。なお、自転車置き場にも「轟天号専用」の区画が準備……あれ、ロードマンしか駐輪してはダメなのか?

 そんな、道の駅「田切の里」は、ほかの地域から訪れる人にはちょっとした珍スポット感がある。食堂には定番の蕎麦をはじめ、鹿肉のソースカツ丼といった珍しいメニューも揃えている。そして、販売コーナーには特産品と共に、なぜかカレーバイキング。さらには「田切漁港」と描かれた海産物のコーナーが充実しているのだ。信州の山の中で「今日は、海鮮丼がお買い得ですよ!」と声をかけられるのも珍しい体験であった……。すごいな、日本の流通システム。

 この食堂で、朝食のぶんの蕎麦を食した筆者が、続いて向かったのは田切駅近くにある「ひねもす」。ここは、静岡県から移住した夫婦が経営する古民家を改造した蕎麦屋である。その雰囲気と絶品な蕎麦の味もさることながら、本棚になぜか諸星大二郎のマンガが並んでいるという楽しすぎる店。年に一度、このイベントの際に必ず訪れなくてはならないスポットになっているのだ。

 そんな店を一年ぶりに訪れると……なぜか年に一度しかやってこない筆者の名前を覚えられていた。なぜかと思ったら昨年「年に一度しか来られないのですが、夢に見るほど美味しいので3人前下さい」と大盛りの蕎麦を楽しんだため。その後、やってきたイベント参加者の何人もが「昼間さんは、3人前も蕎麦を食べたそうだ」と話していたからだという。

 なるほど、これが100年くらい経つと「むかし、むかし、あるところに昼間という、蕎麦をたくさん食べる男がおったそうな……」と昔話になるのだろう。

 さて、体力に不安を抱えつつも腹を満たして、やってきた田切駅。『究極超人あ~る』の聖地巡礼に欠かせないスポットである、元下村商店では、田切駅を愛して止まない「田切ネットワーク」の面々が今年も写真展を開催。そして、駅前の広場・聖徳寺駐車場には、田切の住民の皆様による、スイカやキュウリのおもてなしコーナーも立ち上がっていた。ここに加えて、地元飯島町は移動販売車と、移住パンフレットのコーナーも投入。近年、婚活イベントなど様々な手段で移住者を増やしている飯島町。その熱意には感服だ。おまけに、人員配置もちゃんと美人を揃えるあたり、よくわかっているというべきか。

 こうして、今年も開会式前から会場では、様々なコスプレや自転車が集い和気藹々とした雰囲気に。途中、夕立がやってくるものの、開会式の時間には空は晴れ、参加者の意気もあがった。

 司会者の「今年もバカな夏がやってました」の言葉で始まった開会式で挨拶に立ったのは昨年、12年ぶりとなる町長選挙で当選した下平洋一氏。引退した前町長・高坂宗昭氏は、毎年「お陣屋あんどん市まつり」に併せて代官スタイルで登場していたため、新町長の下平氏が、どんな格好で登場するのか期待が高まっていたのである。

 そして姿を現した下平氏は、クールビズのフツーの姿。これはガッカリか……と思いきや登壇した下平氏は「今年は祭りは昨日で終わりました!」と。この一言で聴衆の心を掴んだ下平氏は「なにか、町を盛り上げていくアイデアを下さい」とアピール。

 そして、挨拶の締めくくりには……

「飯島町は貧乏所帯。皆様になにかを差し上げようと思ったのですが、私から元気玉を連発でプレゼントします! それ、ドッカーン、ドッカーン、ドッカーン」

 リハーサルをしてきたかと思うフォームの整った元気玉(?)に会場は大きく沸いた。

 さらに、田切地区からは「『究極超人あ~る』を読んだのですが、このあ~るさんは、ササニシキが大好物だといいます。ぜひこれからは、この地域でつくっているコシヒカリを食べて欲しいと思ったので、預けておきます」と、お米のプレゼントが(後ほど、参加者でジャンケン大会を)。

 こうして、盛り上がった参加者は各々、好きな角を曲がりながら伊那市駅を目指した。今年も、事故は無くイベントは無事に終了。参加者の多くは、伊那市に宿を取り翌朝のイベント・伊那市朝マルシェを始め、再び道の駅「田切の里」を訪れたりと、各々が心ゆくまで楽しんだのである。

 作品を越えて、参加者の誰もが一日に何度も伊那谷のことを考えずにはおられない状態にまで、進化した聖地巡礼イベント。

 そして、今新たに有志によって田切駅が開業100周年を迎える2018年を目処に、田切駅前に「アニメ聖地巡礼発祥の地」の記念碑建立の計画も進んでいる。この計画、予算は40万円が見積もられていたが、今回のイベント参加者の寄付(一口2000円)によって早くも28万6000円が集まっている。

 また来年も、田切駅で大勢の人に会いたいものだ。

(文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/)

「アニメ聖地巡礼発祥の地」記念碑建立について
https://twitter.com/r28goutengou/status/750172699859619840

最終更新:8/16(火) 14:00

おたぽる

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。