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初セリで1kg20万円 今年のサンマは高嶺の花になる!?

女性自身 8/16(火) 17:10配信

7月下旬、道東を旅した際、釧路の和商市場を訪れた。色鮮やかな花咲ガニや時鮭が陳列棚に並んでいるが、漁が始まったはずのサンマが見当たらない。置いてあるのは糠漬けなど、加工品ばかりだ。

北海道では道東のサンマ流し網漁が7月8日に解禁されたが、出漁したのは一部だけで水揚げ量も10隻の200kgにとどまった。9日に水揚げされ、セリでは、大きなサイズで1キロ2万9,000円の高値がついた(浜値)。これでも驚きだが、札幌ではさらに予想外の展開となった。

11日、札幌中央卸市場で行われたサンマの初セリで、1番サンマはなんと1kg(6尾入り)20万円の超高値で競り落とされたのだ。ご祝儀相場とはいえ、浜値の約7倍、1匹当たり3万円を超す高騰ぶりだ。競り落とされたサンマは、市内のデパートで1尾3万7,800円(税込み)で販売された。テレビのニュースでも報じられ、売り場を通りかかった客は「秋口に安くなったら食べたい」と感想を漏らしていたが、秋口にどれだけ安くなっているだろうか。

問題は、今年の漁獲量がどうなるか。サンマの全国水揚げ量は昨年(2015年)、11万2,225tと前年から半減。統計が残る1981年以降で過去最低だった。今年は8月20日に100t以上の大型船が釧路港を出港し、下旬から漁(棒受け網漁)が本格化する。復活に期待したいところだが、釧路市の漁協関係者の表情はさえない。

「海水温上昇の影響で漁場がどんどん遠くなっているのです。以前なら日帰りで漁ができたのに、今は漁場まで行って漁をして帰ってくるまでに3日はかかってしまう。効率が悪く全体の水揚げが減ってしまうし、燃料代がかかるから値段も上がってしまいます。10日の20t未満、15日の50t未満、そして20日の大型船と、漁船の出港が続きますが、去年を大きく上回るような状況は考えにくいですね」

近年は、中国や台湾、韓国といった外国の特大漁船(1隻1000t級)の脅威も指摘されている。巨大な冷凍庫を備えた特大漁船が、北太平洋の公海上でサンマの争奪戦を繰り広げているのだ。数十隻の特大漁船が、大型の網でごそっと獲ってしまうのだからたまらない。

海水温上昇による影響で道東沖の漁場がどんどん遠くなるうえに、外国船による乱獲もあり、サンマ漁は年々厳しさを増している。

「8月末には水揚げしたサンマが出回るようになると思いますが、値段はやはり高めでしょうね」(漁協関係者)

豊富な動物性プランクトンを食べて脂肪含有量が高い道東沖サンマ。なかでも鮮度、色味、形、重量の規格を満たしたサンマは「青刀さんま」というブランドで流通し、人気を集めている。しかし、水揚げ量が減少すれば、安くておいしい庶民の味覚サンマが高嶺の花になってしまう。クロマグロ同様、サンマに関しても国際的な漁獲ルールをつくり、徹底した資源管理を急ぐべきだろう。

(取材・文/山田 稔)

最終更新:8/16(火) 17:10

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