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五輪で3人の明暗。 男子100m9秒台の壁を最初に超えるのは誰か

webスポルティーバ 8/16(火) 15:40配信

 10秒01の自己記録を持つ桐生祥秀と、12年ロンドン五輪に続く代表で今年は自己記録を10秒06に伸ばした山縣亮太。そしてジャマイカ人を父に持ち、今年一気に頭角を現して自己記録を10秒10まで伸ばし、6月の日本選手権では初優勝と勢いに乗っているケンブリッジ飛鳥の3人が出場した、リオデジャネイロ五輪の陸上競技男子100m。”史上最強”とも称されて期待を集めた彼らの決勝進出の夢は、残念ながら厚い壁に阻まれて、4年後の東京大会へと持ち越しになった。

【写真】リオ五輪の陸上競技男子100mに出場の(左から)山縣亮太、ケンブリッジ飛鳥、桐生祥秀

 その戦いの中で、まずまずの結果を出したのが山縣だった。予選第8組では全組の中で最も強い向かい風1.3mという条件の中、スタートから力みのない加速を見せて、7月に9秒89を出しているアカニ・シンビネ(南アフリカ)に次ぐ10秒20で2位。3位以下の記録上位者8名ではなく、着順で堂々と準決勝進出を決めた。

「緊張はすごかったですが、ロンドンの緊張を思い出して『また帰って来たよ』とつぶやいていました(笑)。レースは集中してスタートできていたかなと思います」

 こう話した山縣だが、準決勝には高い壁が立ちはだかっていた。山縣が入った第2組はウサイン・ボルト(ジャマイカ)に加え、昨年の世界選手権で同着3位になったアンドレ・ドグラス(カナダ)とトレイボン・ブロメル(アメリカ)が揃っていて、決勝への着順進出2位以内は極めて厳しい状況だった。さらに第1組では、3位までが9秒台を出していて、いきなり決勝進出には9秒台が必要という現実も突きつけられた。

 そんな中でも山縣は、臆することなくスタートから隣のコースのブロメルとほぼ同時に飛び出した。中盤以降は実力者たちに襲いかかられて先行を許したが、力んで崩れることもなく、勝負に参加する走りをして5位に食い込んだ。記録は自己ベストの10秒05。9秒台には届かなかったが、3位のプラスで決勝進出を果たしたブロメルとは0秒04差。五輪の緊張感と強豪たちに囲まれる圧迫感の中でも、しっかりと自分の走りをした結果だった。

 このレースを山縣は、「予選でスタートのいい感覚をつかめていたので、トップスピードになる位置を少し先に伸ばすことを意識して、その通りにできてよかったです。結果としてこの舞台で自己ベストを出せたことは誇りに思うし、4年前の五輪の記録を超えられたことは素直にうれしい。ロンドンでは『世界はまだ1歩先だ』と感じましたが、今回の準決勝では半歩先くらいまでに縮まったと思う」とポジティブに捉えた。

 昨年の秋からウエイトトレーニングでも新たな取り組みをしているが、「今回の結果でそれが正しいことが証明できたのもうれしい」と語る。これからさらに、その練習を継続して成長していきたいという山縣にとっては、自身の目指すべき道筋を明確にさせる大会になった。

 一方、予選では2位という力みのない走りで準決勝進出を果たしたケンブリッジ飛鳥は、準決勝で優勝を狙うジャスティン・ガトリン(アメリカ)やロンドン五輪銀のヨハン・ブレイク(ジャマイカ)などと同組になった。

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最終更新:8/16(火) 15:40

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