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山口蛍の悲壮な決意「代表に半年は呼ばれない覚悟」。欧州からJ2へ、復活への厳しい挑戦

フットボールチャンネル 8/16(火) 10:39配信

 ブンデスリーガからC大阪へ復帰した山口蛍。欧州からJ2への移籍となり、厳しい声もあった。さらにチーム状態も良くない。苦しい時期を過ごす山口蛍の胸中はいかに。J1昇格と日本代表復帰を目指す本人を直撃した。(取材・文:元川悦子)

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2位再浮上狙うも敗戦。歯車が合わないC大阪

 14日にキンチョウスタジアムで行われたJ2第29節・セレッソ大阪対松本山雅のJ2上位対決。28節終了時点で2位・松本山雅が勝ち点53、3位・C大阪が51で、C大阪は勝って順位を入れ替え、J1自動昇格圏への再浮上を狙っていた。

 しかし、C大阪は松本山雅の手堅い守りを攻略しきれず、逆に前半42分、パウリーニョの豪快なミドル弾を浴びてしまう。山口蛍が玉田圭司とのワンツーを狙って出したパスをカットされ、そのまま決められるという場面であった。

「俺はワンツーで行けると思った。ああいうシーンでムダなクリアはしたくないし、つないでいくチームではあるから。そういうことも後ろの人とも話しましたけどね」と山口蛍は明確な意図を持ったプレーだったことを話すが、結果的に裏目に出てしまったことは事実だ。

 猛攻に出ていた後半37分にも、彼は渾身のミドル弾を相手GKシュミット・ダニエルに止められる苦渋を味わった。松本山雅のキャプテン・飯田真輝が「山口選手のシュートシーンが一番の脅威だった」と安堵感を吐露しただけに、その一撃が勝負を分けたと言っても過言でないだろう。この敗戦でC大阪は4位に落ち、2位との差は5。悲願のJ1復帰に再び暗雲が漂いつつあるのは確かだ。

 山口蛍がドイツ・ブンデスリーガ2部降格を強いられたハノーファーでの挑戦をわずか半年で打ち切り、古巣復帰の道を選んでから2ヶ月。C大阪は足踏み状態に陥っている。彼が戻った7月3日の第21節・ロアッソ熊本戦以降、チームは3勝2分4敗と黒星が先行。失点も急増した。一体何が起こっているのか。

加入当初の迷い。自分からアクションを起こす必要性を痛感

 大熊清監督は3バック採用など改善策を講じているが、ボールの奪いどころが明確でないといった課題は多い。

「2~3年前ならサイドバックに入ったら取りに行くとか、そういう共通理解があったからみんなの狙いどころもハッキリしていた。今はそれもないし、誰かがスイッチを入れるわけでもない。

 俺が行けばスイッチになると後ろの選手も言ってくれているけど、真ん中を空けると逆にやられがち。山雅戦の前半も後ろが3枚で引いていたから、ますます前から取りに行けなかった。だけど、もう少し割り切って行ってもいいのかなと思います。

 今季はメンバーも変わったし、戻ってから今までは若干の遠慮というか、俺が合わせる形になっていた部分があるんで、もっと自分から周りを動かしていってもいいのかなと思う」と山口蛍は自らアクションを起こす必要性を改めて痛感している。

 この苦境でチームの雰囲気を劇的に変える存在感と統率力を示さなければ、わざわざJ2に戻った意味もなくなってしまう。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も苦言を呈していた。

「蛍が2部に帰ってくると聞いて『うれしくない』と本人に伝えた。ドイツは2部でもフィジカルの戦いが違う。ドイツで成長するはずの選手だったが、今の状況ではA代表の先発になるのは難しい」と語るように、山口蛍の古巣復帰の選択には、依然として厳しい声も少なくない。

「(ハリル)監督もそうだけど、いろんな人から『早く帰って来過ぎ』とか『逃げて帰ってきた』とか今もすごい言われるし、そう思われてもおかしくない。自分の中ではそれを受け止めているし、そのうえで自分が何を成し遂げていくか、変わっていくかが大事やと思っています」

 山口は自身への批判を認識している。そしてこう強調した。

「俺はセレッソで何も成し遂げてない」

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最終更新:8/16(火) 20:19

フットボールチャンネル

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