ここから本文です

10ーFEET、4年ぶりに発売したシングルを「テンションが高くないと始まらない」(後編)

ローリングストーン日本版 8/16(火) 17:10配信

ニューシングルのリリースを通して今の音楽業界について語ってくれた前編に続き、後編では『アンテナラスト』の収録曲について語ってもらった。10ーFEETのアイデンティティが余すところなく詰まった楽曲を制作した心象風景に迫る。

【前編】10ーFEETが語る今の音楽業界「バンドにとってすごくいい時代にきてると思う」

―リード曲『アンテナラスト』は大切な人の喪失を歌った曲ですが、誰かモデルがいたんですか?

TAKUMA:歌詞を書くきっかけになったのは、婆ちゃんとの思い出ですね。去年、婆ちゃんが亡くなっちゃって。お母さん代わりに僕を育ててくれたんですけど、忙しすぎて悲しみを噛み締めて泣ける暇もあんまりなくて。そういうことをレコーディング中のふとした時に、ふいに思い出したんです。スタジオの周辺の裏路地を歩きながら、鼻歌を歌いながら歌詞を考えていたんですね。その時、涙が止まらなかったんです。たぶんこういうパーソナルなことは使えんと思うけど、それでも歌詞にしようと思って、その時の感情をバーっと書きなぐったのが歌詞になりました。

―シンプルな言葉だけど普遍的というか人として根本的なことが歌われていて、自分の中の何かと重なってグッときました。

TAKUMA:ありがとうございます。

―10ーFEETの楽曲に、僕らは常にいくつかのことを期待していると思うんです。1つ目が、弱っている心に元気をくれる。2つ目が、バカをやってスカッとさせてくれる。『アンテナラスト』は完全に1つ目の期待に応えてくれる曲ですが、10ーFEETは活動期間が長いし、そこそこの大人も聴いてると思うんですよ。

TAKUMA:そうですね。僕らより5つ上ぐらいの人で、常にライヴに来てくれる人もいて。そうすると、45~46歳とかですよね。

―そうすると、歌詞の言葉の選び方も難しくなると思うんですよ。

TAKUMA:そうですね。なので、歌詞もなるべく、"らっしゃって"とか"おられて"とか・・・。

KOUICHI:全然してないやん(笑)。

TAKUMA:はい。全然してないですけどね(笑)。

―(笑)。自分より年上の人が聴いてるってことは、自分の絶望や悲しみより深いものを背負った人もいるわけで。そういう人に音や言葉を届けるのはすごい大変だと思うんです。

TAKUMA:5年ぐらいたって振り返ったら幼稚な表現かもしれなくても、今の精一杯の気持ちが伝えられる言葉を選んでます。まずは、今の一生懸命、精一杯を書く。しかも5年後、6年後の俺が読んでも恥ずかしくない表現をする。結果、後になって"青かったなあ"とかって毎回思うんですけど、それでも一生懸命、本気で書くことは一番勇気がいるし、大事なことやと思います。もちろん、歌詞なので思ったまんまではないですよ。感覚だけで伝えるところは伝えて、ひねって言葉選ぶところは選んで、言葉を選んではいけないところでは言葉を選ばずっていう、全てにおいて一生懸命やったつもりです。

1/2ページ

最終更新:8/16(火) 17:10

ローリングストーン日本版

記事提供社からのご案内(外部サイト)

RollingStone 2016年10月号

株式会社パワートゥザピープル

2016年10月号
9月10日発売

710円(税込)

表紙:トム・ヨーク
特集:IMAGE
ロック&ファッション&アート
高橋盾(UNDERCOVER)
ヒステリックグラマー 他

なぜ今? 首相主導の働き方改革