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見逃せない「円相場離れ」終焉のリスク

会社四季報オンライン 8/16(火) 21:06配信

 前回に続き、「707億円買う人」(イコール日銀)に支配される足元の株式市場について考えてみたい。この是非をめぐっていろいろと議論されているが、筆者は株式市場の本来の機能を損ない、価格を歪めているという「非」とする側の意見に賛成である。

 ただ、年間6兆円買い越しのインパクトは確かにすさまじく、日経平均株価をはじめとする日本株へのプラス効果は確実にある。だからといって「日経平均への寄与度の高い銘柄(ファーストリテイリング <9983> など)買っとけ」といったような論調は雑すぎるのではないだろうか。

 日銀が年間6兆円(そのうち3000億円は設備投資型ETFの購入に充当のため実質5兆7000億円)のETFを買った場合、ファストリ株だけにもたらされる買いインパクトは“推定2500億円”という試算がある。まずは、この根拠から紹介したい。

 日銀が買い入れ対象としているETFは、日経平均、東証株価指数(TOPIX)、JPX日経インデックス400型の3タイプである。1回当たりの買い付け額に占めるそれぞれの比率(8月実績)は、日経平均型が53.4%、TOPIX型42.0%、JPX日経400型4.6%。これは、日銀買い入れ日の立会外のクロスから推定できるものだ。

 ファストリ株はいずれの指数にも採用されている。15日時点の同銘柄の各指数に占めるウエートは、日経平均が8.7%、TOPIXが0.32%、JPX日経400が0.43%。あくまでも現在の比率だが、これをベースに年間5.7兆円の購入資金のうち、どの程度がファストリ株に振り分けられるのかを計算すると、以下のとおりだ。

 計算では実に年間2736億円もの買い越しインパクトを間接的に受けることになる。上場企業1銘柄の年間買越額としては膨大だ。仮に同額の自己株買いに置き換えてみれば想像しやすいだろう。とりわけ、ファストリ株は超割高(予想PER約89倍)で超値ガサ、かつ小売株という属性から通常、流動性の非常に低い大型株である。その意味でも、間違いなく日銀ETF買いの恩恵を大きく受ける銘柄であるわけだ。

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最終更新:8/22(月) 11:11

会社四季報オンライン

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