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予算は5万円。西へ行く「夏競馬の旅」は、地獄か、極楽か

webスポルティーバ 8/17(水) 11:24配信

「夏競馬」珍道中~西日本編(1)

 今思えば、「ラッキー♪」なんて思ってしまったことが間違いだった。

 5万円とはいえ、スポルティーバ編集部が一介のライターに理由もなく現金をくれるはずがないのだ。考えが甘かった……。

■もうひとりの旅人、ライターの新山藍朗氏は夏の北海道へ! 「夏競馬」珍道中~北日本編>>

 今、これを執筆しているのは、7月29日の朝。名古屋駅近くにある、とあるサウナの無料PCコーナーである。税込み1580円で最大8時間利用できる。東京からの深夜バスによる移動の疲れと、前日からの汗を洗い流すために立ち寄ったところだ。

 話は前日に遡(さかのぼ)る。

 7月28日の川崎競馬はなんと“怪獣酒場ジャックデー”ということで、川崎駅近くにあるウルトラ怪獣をテーマにした居酒屋『怪獣酒場』と川崎競馬とのコラボレーション開催が行なわれていた。もちろん、怪獣たちも競馬場にやってくる。

 これを見逃す手はない。筆者は、本放送こそ間に合っていないが、ウルトラマンで育った世代だ。なにしろ、この世に生を受けた日がウルトラマンエースの本放送最終回だったし、生まれて初めて覚えた漢字は、自分の名前ではなく「怪獣」というくらい、ウルトラ怪獣はドンズバなのである。

 その川崎競馬場に向かう前のことだ。まずは本日の軍資金をおろすべく銀行のATMに寄った。ついでに通帳の記帳もしたところ、覚えのない入金がスポルティーバ編集部からされていた。

「ラッキー♪」

 入金されていたのは、5万円。普段恵まれない筆者に対して、心ばかりのボーナスのようなものだろうか。「スポルティーバって、優しいなぁ~」と、そんなふうに勝手に解釈していた。同時に、「さて、このお金で何をしようか」などと、思案を巡らせた。

 そのとき思いついたのが、10年近くご無沙汰だった笠松競馬場(岐阜県)への訪問だ。幸いにして、翌日に開催がある。翌日の日帰りなら、他の原稿執筆にも支障はない。決まり、である。

 では、新幹線で行くか。いやいや、そこは少しでも節約して、その分、馬券を多く買おうではないか。勝って、帰りはゆったりとのぞみのグリーン車で帰ってくればいい。

 ということで、すぐさまスマホで検索して、深夜便となる東京発、名古屋行きの高速バスを予約。3列シート、ネット割引クーポン使用で乗車券は3000円弱である。「これはおトク♪ 名古屋でひつまぶしも食べられそうだ」なんて、ウキウキしていた。

 ならば、と一旦自宅に戻って、旅の荷物をまとめる。日帰りのようなものとはいえ、この暑さだ。朝名古屋に着いたら、サウナでさっぱりしたい。着替えを持って、せっかくの笠松だからカメラも持って、帰りの車内で仕事ができるようにとノートパソコンも、旅行カバンに放り込んだ。

 まさかこの旅の準備が、のちに自分を助けることになるとは……そのときはつゆにも思わなかった。

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最終更新:8/17(水) 11:24

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