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関ジャニ、JUMP、キスマイ、ジャニスト……ジャニーズにおける大人数グループの醍醐味

リアルサウンド 8/17(水) 7:01配信

 前回は、KinKi Kidsとタッキー&翼というデュオ2組について取り上げた。今回は、それとは対照的な大人数のジャニーズグループの魅力について考えてみたい。

「どこからが大人数か?」を決める明確な基準はないが、歴史的流れで言うと、かつてはSMAP、TOKIO、V6、嵐を始めとして5人ないし6人というケースが多かった。それが2000年代半ば以降になると、7人以上というグループが増えてくる。ということで、今回は、現在7人以上で活動するグループ、関ジャニ∞、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、ジャニーズWESTの4組を取り上げたい。

 ジャニーズグループの歴史を改めてたどってみると、1962年結成の元祖ジャニーズ、60年代末から70年代にかけて活躍したフォーリーブス、80年代から90年代初頭に活躍したTHE GOOD-BYE、男闘呼組、忍者(少年忍者)など4人組というケースが比較的多い。シブがき隊や少年隊はさらに少なく3人組である。

 そうしたなか、80年代に異彩を放つのが7人組だった1987年デビューの光GENJIである。ただし、ご存知の方もいるだろうが、光GENJIの場合、年長組2人の「光」と年少組5人の「GENJI」の合体したものだった。

 さらに時代的にも、光GENJIと現在の大人数グループでは、取り巻く状況が違っている。光GENJIは、『ザ・ベストテン』など各局の看板音楽番組がまだ続いているぎりぎりのところでデビューできた。したがって、「歌って踊るアイドル」という、ある意味王道のスタイルを貫くことができた。

 それに比べれば、現在の大人数グループは、新曲を歌う場として『ミュージックステーション』などはあるものの、音楽番組だけに出演しているわけにはいかない。どうしてもドラマやバラエティなど他ジャンルの番組で存在感を発揮することを求められる。

 大人数グループが増える理由は、そこに関わってくるだろう。ドラマやバラエティであれはたまたMCであれ、多様なジャンルの仕事に対応しようとするとき、メンバーが多い方がそれぞれの個性の違いでカバーできる範囲も広がるはずだ。

 その良き先例となっているのが、大人数グループでは先輩格の関ジャニ∞だろう。

 関西出身者ならではのノリを共有した関ジャニ∞は、元々全員のバラエティ適性は高かった。『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)と『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ系)両番組の現在の充実ぶりがそれを物語る。

 そのうえで、渋谷すばるは持ち前の歌唱力を生かしたソロ歌手活動、錦戸亮や大倉忠義がドラマ主演、村上信五が番組MCとしてそれぞれの志向、得意分野を生かした活動をしている。また横山裕は、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)のような情報番組、バラエティ番組への出演もこなしつつ、現在放送中のドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)ではシリアスな演技も見せるなどオールマイティな面を見せている。丸山隆平と安田章大も同様だ。ドラマ出演などの経験を積みながら、近年は『サタデープラス』(TBSテレビ系)に『イチゲンさん“おはつ”できますか?』(テレビ東京系)と、それぞれ単独で番組MCを務めるなど活動の幅を広げている。

 同じ7人グループで後輩になるKis-My-Ft2は、とりわけメンバーの個性発掘に貪欲なグループかもしれない。

 『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)にしても毎回個人対抗形式で、それぞれのメンバーの見せ場が自然にあるような構成になっている。ここから横尾渉の「水回りの横尾」という料理上手キャラも生まれた。

 藤ヶ谷太輔、玉森裕太は主演作を含め、ドラマ・映画とコンスタントに出演している。北山宏光は、ドラマ出演もこなしながら『世界の日本人妻は見た』(TBSテレビ系)のレギュラーとなるなど、バラエティ進出にも積極的だ。ほかにも宮田俊哉のアニメ好き、オタク趣味や千賀健永の「女子力」の高さなどユニークな個性も多い。

 『プレバト!!』(TBSテレビ系)でも、メンバーが毎回のようにソロで出演して、俳句や生け花、料理の盛り付けなどに挑戦している。横尾や千賀がみるみるうちに上達して俳句の特待生へとランクアップしたり、二階堂高嗣が絵手紙で意外な才能を見せたりと大いに存在感を発揮している。

 今回の4組のなかでは一番デビューして間もないジャニーズWESTだが、各メンバーの個性や才能を生かした活動が少しずつ実を結びつつある段階だと言えるだろう。

 『ごめんね青春!』(TBSテレビ系)で好演し、すでにドラマ主演の経験もある重岡大毅、NHKの朝ドラ『あさが来た』で注目された桐山照史、最近では錦戸亮主演『サムライせんせい』(テレビ朝日系)でのヤンキー役が印象深い藤井流星、『世界一難しい恋』(日本テレビ系)に主演の嵐・大野智の部下役で出演した小瀧望、『ノンママ白書』(フジテレビ系)で鈴木保奈美と共演する濱田貴裕と、いまのところドラマでの活躍が目立つ。

 ただ桐山などは、その明るいキャラと頭の機転の早さを生かして、『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)でA.B.C-Zの河合郁人とともにMC業を見事にこなしている。また中間淳太も今年2016年の4月から桐山とともに『ヒルナンデス!』の木曜レギュラーとして、共演の横山裕から「オネエ疑惑」をかけられるなど、いじられキャラとして個性を発揮し始めている。

 Hey! Say! JUMPは、今回取り上げる中では最も大所帯の9人組だ。現在デビューして活動するジャニーズグループ中の最大人数でもある。

 彼らのソロ活動にはマイペースさが感じられる。それは『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)で番組MCが持ち回り制であるところからもうかがえる。グループでは誰か仕切り役が決まっているケースが多いが、そうではない。そこには各メンバーのやり方を尊重するような雰囲気がある。

 そうしたなかで、ソロ活動もそれぞれのペースで進んでいる印象だ。

 山田涼介は、映画『暗殺教室』や『グラスホッパー』への出演など、演技の方面での活躍がさらに増えそうな勢いだが、『スクール革命!』(日本テレビ系)でのいじられキャラ的な面白さも捨てがたい。同番組で一緒の知念侑李は、今年公開予定の『金メダル男』で監督・主演の内村光良とダブル主演を務める。同じく八乙女光は、『ヒルナンデス!』のレギュラーとして、有岡大貴とともにバラエティの世界で存在感を発揮しつつある。

 また中島裕翔は、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系)でゴールデンタイムでの連ドラ初主演を果たすなど、俳優業が順調だ。さらに薮宏太がサッカー番組に意欲を見せれば、高木雄也は今年滝沢秀明主演のドラマ『鼠、江戸を疾る2』(NHK)にゲスト出演した。岡本圭人は、『いただきハイジャンプ』でもおっとりした様子で愛されキャラなことがうかがえるが、得意の英語を生かした仕事などが今後期待できるだろう。

 このようにマイペースの活動が目立つHey! Say! JUMPだが、何かのきっかけでそれが俄然注目されることがある。伊野尾慧の最近の大活躍はまさにそれだ。『めざましテレビ』(フジテレビ系)の木曜レギュラー、『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)のMCに抜擢と、情報番組やバラエティに進出するだけでなく、現在放送中の『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系)などドラマ出演も相次いでいる。
 
 「伊野尾革命」とまで呼ばれる躍進ぶりだが、伊野尾本人はいまもいたって肩の力が抜けた様子で、力んだところは見られない。そこがまた、いかにもマイペースのHey! Say! JUMPらしい。

 こうした伊野尾の例に限らず、大人数グループの魅力は、多数のメンバーがそれぞれ活動するなかで、こうした予想を超えたブレイクが起こるところだろう。そしてそれがグループとしての活動にも還元されていく。しばらく目を離すとこちらが置き去りにされてしまうような、そんな刻々と変化する「意外性」のダイナミズム。それが大人数グループを応援する醍醐味であると思う。

太田省一

最終更新:8/17(水) 7:01

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