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甲子園で際立った存在感。ユル強い個性派チーム、嘉手納の夏

webスポルティーバ 8/18(木) 12:21配信

 今夏の甲子園大会、もし「もっとも風変わりなチームはどこか?」と聞かれたら、迷わず嘉手納(沖縄)の名前を挙げるだろう。

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 170センチ96キロの巨漢スラッガー・大石哲汰が注目されたが、野球選手として考えれば大石は「真っ当」に見えてしまう。それほど周囲を固める選手たちが予測不能の「濃い」チームなのだ。

 8月11日の前橋育英(群馬)との初戦。最初にショート・古謝巧真(こじゃ・たくま)のフィールディングに軽い驚きを覚えた。普通の高校球児なら、ゴロを捕ってスローイングまでの一連の流れを迅速にするものだ。だが、古謝は捕ってから投げるまで、ずいぶんと落ち着いている。というか、落ち着き過ぎて「のんびり」しているようにさえ見える。高校野球というより、メジャーリーグ寄りのフィールディング。それでアウトにできているからいいのだが、見ていて少しハラハラさせられる。

「守備には自信があります。落ち着き過ぎ? いや、わからないですね。いつもあんな感じです」(古謝)

 あとで知ったことだが、古謝は野球以外の分野で意外過ぎる才能を発揮している。「第27回伊藤園おーいお茶新俳句大賞」で高校生の部大賞を受賞したのだ。76万近い応募作のなかで古謝が受賞した作品は「教頭が スルメをひとつ 買っていた」。文化祭の出店で教頭が駄菓子のスルメをひとつだけ購入したことにインパクトを感じての一句だという。この句からも古謝の独特な感性が伝わってくる。

 2番打者で時にリリーフとして登板する仲井間光亮もまた、トリッキーなプレーをする選手だった。

 前橋育英戦で2点を追う7回表、無死一、二塁のチャンス。打席に入った仲井間はバントを試みるも、投手後方への小フライになってしまう。結果的に打球が投手と遊撃手の間にポトリと落ちて内野安打となったのだが、後で聞くと仲井間はこともなげに「狙ったとおり」と言ってのけた。

「ピッチャーの後ろに落とすバントはずっと練習していました。去年の夏に(沖縄大会で)相手チームにああいうバントをされて流れが変わって、すごいなと思って。ボールを乗せて上げるようにプッシュバントするんです。あの場面は自分で考えて、ああいうバントをしました」

 また、打っては全身を投手方向に投げ出すような形でヒットを打つシーンもあった。他チームでは指導者に叱責されそうな打ち方だが、仲井間に聞くとこんなコメントが返ってきた。

「バットを放り投げるような打ち方はクセなんですけど、いいクセだったり、悪いクセだったりします。今日はいいクセでしたね(笑)」

 嘉手納は前橋育英に10対3で快勝した。前橋育英は3年前の夏の甲子園を制し、今年の5月にはタレント揃いの横浜(神奈川)に完勝して、関東大会チャンピオンに輝いている。今夏も全国制覇を狙えた実力派に、19安打を浴びせた嘉手納の戦いぶりは衝撃的だった。

 この試合後、嘉手納の大蔵宗元監督はこうコメントしている。

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最終更新:8/18(木) 18:08

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