ここから本文です

畑から殺害女性の不明長男の歯? 1年越し警視庁捜査一課の執念

週刊文春 8/19(金) 7:01配信

 亡くなった人々の魂が家族に迎えられるお盆の季節だが、帰る場を知らない魂もある。警視庁が6月、川崎市内で発見した幼児のものとみられる歯の持ち主もその1人だろう。捜査一課は、元交際相手の佐藤一麿被告(30)に殺害されたとされる阿部由香利さん(当時25)の長男のものとみている。警視庁担当記者が説明する。

「阿部さんは佐藤の元交際相手。2013年7月に殺害され埋められたとして、佐藤が死体遺棄罪で有罪判決を受け、殺人容疑で逮捕・起訴されていますが、事件はいまだ謎だらけ。最大の謎が、阿部さんの長男の行方です。阿部さんはシングルマザーでしたが、長男は1歳5カ月だった07年9月を最後に行方が確認されていません。捜査一課は、事件に巻き込まれた疑いが強く、佐藤が関与している可能性があるとみて捜査。そのなかで長男のものとみられる歯が見付かったのです」

 現場は佐藤被告が通っていた大学の近くで「犬を捨てた」と説明した付近だった。

 一連の事件の捜査が本格化したのは昨年から。すでに時間が経過し、物証も乏しく、さらには佐藤被告が黙秘や否認を通したことで、捜査は難航を極めた。捜査一課は15年6月に佐藤被告と別の元交際相手の女を阿部さんの死体遺棄容疑で逮捕したものの、殺人容疑でようやく佐藤被告を逮捕できたのは、死体遺棄罪で有罪判決が出た2カ月後の今年2月。長男の行方にいたっては、いまだにほとんど手がかりが見付かっていない。

「死体遺棄容疑での逮捕から1年がかりで長男のものとみられる歯を見つけたことをみればわかりますが、捜査一課はこの事件に執念を燃やしています。捜査一課長は代替わりしましたが、『長男の行方を解明するまではなんとしても捜査を続ける』との方針は変わらないようです」(同前)

 歯が見付かったのは、佐藤被告が阿部さんの遺体を遺棄する前にレンタカーで立ち寄った川崎市麻生区の畑。

 捜査関係者が話す。

「徹底して掘り返し、金の採掘で使うようなふるいまで使って細かい破片も精査し、歯、骨片、玩具、おむつまでみつけた。佐藤の自宅からは長男の写真が見付かっており、何も知らないはずはない」

 DNAは抽出できていないが、謎の解明への大きな一歩。捜査一課の執念は実るか。


<週刊文春2016年8月25日号『THIS WEEK』より>

「週刊文春」編集部

最終更新:8/19(金) 15:16

週刊文春

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Yahoo!ニュースからのお知らせ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。