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対中国向け「越境EC」に続々参入する日本企業の勝算

マネーポストWEB 8/19(金) 16:00配信

 中国人観光客を中心に日本製品を買い漁る「爆買い」に一時の勢いが見られないなか、“ポスト爆買い”として注目を集めているのが「越境EC(電子商取引)」だ。日本の商品をネット経由で海外の消費者に販売する、いわば国境を超えた通信販売は拡大の一途を辿っている。

 経済産業省「平成27年度電子商取引に関する市場調査」によると、昨年の中国向けの越境EC市場規模は前年比31.2%増の7956億円、今年は1兆円を超え、2019年には昨年の3倍近い2兆3359億円まで膨らむと見られている。それだけの急成長が見込めるため、日本企業が相次いで参戦している。

 たとえば花王は昨年11月、中国のアリババグループが運営する越境ECサイト「天猫国際(Tモール・グローバル)」に続き、今年5月には同サイトのライバルである「京東全球購(JDワールドワイド)」にも出店している。

 同社の紙おむつ「メリーズ」は中国で熱烈な人気を誇り、これまで「爆買い」で大量に買い占められて品切れが続出し、日本の消費者が手に入れられない状態が続いていた。しかも、メリーズは中国でも生産・販売しているのに、わざわざ日本のドラッグストアで購入した“転売もの”が飛ぶように売れていたという。

「中国人はたとえ日本と同じ商品が中国売られていたとしても、日本から直接買い付けたものを信頼する。だから現地のネット通販サイトでは、紙おむつや粉ミルクなどに日本のドラッグストアのレシートを貼り付けた写真までアップして日本で入手してきたことを証明してきた」(在中日本人ジャーナリスト)

 越境ECでは日本メーカーが直接販売するため、価格も“転売もの”より安く抑えられるため、非正規の転売ルートに歯止めをかけられる。そうしたところに“勝算”を見出した日本企業が、中国で人気を集める日本製品を続々と越境ECで販売するようになっているのだ。

 今年5月には、小林製薬も「天猫国際」に出店。中国人観光客に人気の冷却剤「熱さまシート」や口臭防止剤「ブレスケア」、しみやそばかすから肌を守る「ケシミンクリーム」などを販売。ライオンも歯ブラシや歯磨き粉、洗剤、柔軟剤などを投入し、越境ECを強化している。

 メーカーだけではない。日本通運はアリババグループと提携し、「天猫国際」出店者への物流サービス提供を今年8月から始め、ANAホールディングスは通関支援から輸送まで請け負う事業を9月にも開始する予定だ。

 メーカーや物流各社をはじめ日本企業がこぞって群がる越境ECは、いまや株式市場においても注目のテーマのひとつとなっている。はたしてどこまで発展するのか。行方を見守りたい。

最終更新:8/19(金) 16:00

マネーポストWEB

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