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連載 第2回|わが人生のなかのクルマ──アメリカン・グラフィティに憧れて

GQ JAPAN 2016/8/19(金) 22:02配信

服や住まいとおなじように、クルマもまた人をあらわす。人それぞれにクルマとの出合いがあり、物語がある。有名無名のクルマ愛好家たちが、それぞれの人生のなかにおけるクルマについて語る連載の第2回は、純白のシボレー コルベットで現れた神奈川県在住の根本勝さん。

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第2回|わが人生のなかのクルマ
1965年型 シボレー コルベット スティングレイ コンヴァーティブル
根本勝さん

かつて日本における旧いアメリカ車とそのファンのイメージと言えば、ド派手に改造したホットロッド的な愛車とともに、自らはリーゼントにアロハシャツやスカジャンで決め、BGMはフィフティーズのロカビリー。はたまた、ちょっと新しいところでは、エアサスでぴょんぴょん飛び跳ねるローライダー・スタイルのクルマを、大音量のヒップホップとともに闊歩するように流す……。と、ザックリで恐縮だが、日本ではそんなイメージが一般的かもしれない。

それが悪いと言うつもりはないのだが、そういうアメ車ファンを目にしたときなど、彼らは自身の愛するクルマの歴史や文化的背景にまで興味を示しているのだろうか、と思ったりしたこともあった。

ところが、昨今の日本におけるアメリカ車エンスージアストの中には、私のステレオタイプな思い込みとは大きく異なるタイプの愛好家が増えてきている。その見識の高さと造詣の深さによって真の「趣味人」の称号を献上したくなる人たちが──。

今回、取材したのは、そんなアメリカ車エンスージアストの一人である神奈川県在住の根本勝さん。愛車は1965年型のシボレーコルベット・コンヴァーティブルである。

まずは根本さんのコルベットについて、簡単なあらましを解説したい。ファンの間では「C2」と呼ばれるこの第2世代のシボレー コルベットは、1962年9月に、当時のアメリカ車としては珍しく欧州のパリ・サロンにてデビューを果たした。また「スティングレイ」のペットネームを、歴史上初めて頂戴したコルベットとしても知られる。

初代のコルベットは直列6気筒エンジンを搭載していたために「迫力不足」の烙印を押されてしまったけれど、このC2のエンジンはV8のみを搭載する。「スモールブロック(327cu.in.=5358cc)」ユニットだ。チューンの違いで250~340psの4種が設定された上に、モータースポーツを見越したラムエア式の燃料噴射(SAE規格360ps)モデルもあった。また1965年モデルからは「ビッグブロック(396cu.in=6489cc)」も選べるようになった。

一方、FRP製のボディのデザインは、GMデザイン部門の当時のトップだったビル・ミッチェルの指揮のもと、日系人デザイナーのラリー・シノダが担当した、と言われる。そしてC1時代のコンヴァーティブルに加え、スタイリッシュなクーペも用意されたのである。

1963年モデルから販売されたC2は、わずか5年足らずでモデルチェンジを迎えたが、同時代の欧州製スーパースポーツカーに勝るとも劣らないパフォーマンスの持ち主だった。しかも、そのスタイルは、うっとりするほど美しかったから、約11万台が生産される大ヒット作となった。

近年のちょっとしたクラシックカー・ブームの波を受けて、アメリカのみならずヨーロッパでもクラシックなアメ車の価格が急速に高騰中のところ、このC2は、アメリカンスポーツカーの古典として敬愛される、アイコン的な1台なのである。

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最終更新:2016/8/19(金) 22:02

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