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石田潤の In the mode|キャンペーン・ビジュアルに見るブランド考。

Casa BRUTUS.com 8/19(金) 12:00配信

ファッションブランドのそのシーズンの気分を一枚の写真で表現してみせるのがコレクション・ビジュアルだ。

今回は、発表方法や起用したフォトグラファーで、その個性を一段と際立たせた3つのブランドに注目してみた。

今、ブランドが最も注目しているソーシャルメディアといえば若者を中心に人気のsnapchatだろう。登録したユーザーのみが見れるという閉鎖性が逆にブランドとの結びつきやエクスクルーシブ感を強めるのか、ハイ・ブランドもコレクションのランウェイ動画の配信を中心に積極的に活用し始めている。そうした流れのなかでオッと思わせる展開を見せたのがアレッサンドロ・ミケーレ率いるグッチだ。

今年4月、グッチのsnapchatアカウント@gucciに、突如2016年秋冬コレクション・ビジュアルを撮影する様子を写した動画が現れた。キャンペーン・モデルのペトラ・コリンズ自らが撮影しアップしたのは、桜咲く東京の風景。日々公開されるスナップチャットの動画に、日本のファッション関係者たちはいったいどこが撮影場所なのかと釘付けになった。そして7月、完成したキャンペーン・ビジュアルがついに公開された。撮影場所には、渋谷交差点や日本家屋といったお馴染みの“TOKYO”のイメージに加えて、デコトラやパチンコ屋が登場。その過剰さがアレッサンドロのハイパーミックスなファッションと相混じり、夢とも現ともつかないファンタジー・ワールドを作り出している。

そしてキャンペーンに起用したフォトグラファーから、ブランドやデザイナーの嗜好を読み取るのも楽しみの一つ。デムナ・ヴァザリアがアーティスティック・ディレクターに就任し、今季の最注目ブランドとなったバレンシアガは、キャンペーン・フォトグラファーにマーク・ボスウィックを起用した。

ニューヨークを拠点にアーティスティックな写真表現を追求してきたマークは、90年代から2000年代初頭のファッション界を席巻したデザイナーのマルタン・マルジェラとの深い繋がりでも知られる伝説的な人物だ。新デザイナーのデムナもまたマルジェラのもとで学んだ経歴をもつ。自身のルーツ、あるいは若かりし日のヒーローに撮影を依頼したということなのだろうか。人気モデルも凝った演出もない、どこともつかない日常の風景のなかでノンシャランに撮られた老舗パリ・ブランドのビジュアルは、ファッション界に新しい時代が訪れたことを告げるものとなった。

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最終更新:8/19(金) 12:00

Casa BRUTUS.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。