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雄弁さを武器に嘘をつく弁論大会優勝の営業社員

Wedge 8/19(金) 11:20配信

 今回は、ベンチャー企業の株式会社ケーエムケーワールド社長・車陸昭氏(44)に取材を試みた。

 同社は2001年に創業し、システムエンジニア・サービス、システム開発、ERPパッケージ開発、販売などをする。15年4月時点で、正社員数は84人で、売上は12億円。

 かつては大手メーカーに勤務し、現在はベンチャー企業の創業経営者として奮闘する車氏にとって、「使えない部下・使えない上司」とは……。

雄弁という武器をいい方向に生かしてほしかった

 「使えない部下」といわれるほどにひどい社員は、世の中に少ないと私は思います。ほとんどの人が仕事に真剣に取り組めば、同世代の中で平均レベルには達するはずです。上位2割に入るためには、適性や資質なども関係してくるのかもしれません。

 ここ10年ほどを振り返り、社長の立場からして、少々困った社員は数人いました。ひとりは、学生時代に弁論大会で優勝をした男性です。新卒の採用試験の面接では、やさしく、誠実なタイプにみえました。たしかに弁が立つのです。ほかの学生と比べても、機転がききます。

“雄弁”を活かし嘘の報告繰り返す

 それで内定を出し、営業部に配属したのですが、雄弁を間違った場で使うのです。たとえば、上司に嘘の報告をします。午前10時から午後6時まで外周りをするのですが、2件しか、会社を訪問しないのです。上司が「なぜ、2件なの?」と聞くと、いろいろな理由をつけて言い訳をします。

 エクセルシートにデータを入力する仕事をさせると、2時間かけてもできない。同世代の社員は、15分ほどで終えます。上司が理由を聞くと、言い訳をします。この言い訳にみんながだまされます。

 その後、「技術職に異動をしたい」と言いましたから、認めました。しかし、技術の部でも、嘘の報告を繰り返します。最後は、上司や先輩たちの多くが、あきれ返るほどでした。

 結局、3年ほど在籍し、辞めました。仕事へのいい加減な姿勢を変えようとはしなかったのです。期待をしていただけに、残念な思いがあります。雄弁という武器をいい方向に生かしてほしかった。

 もうひとりは、名門大学の理系学部を卒業し、新卒で入社した男性です。技術職としてシステム開発に関わったのですが、仕事をマスターすることがなかなかできません。

 入社直後から半年かけて、社内で研修をしました。何人もの先輩や上司が教えたのですが、いつまでもできないのです。結局、数年後に退職しました。

 彼は名門大学を卒業していることもあり、採用したのですが、学歴で判断したことが間違いだったのかもしれません。IT業界の技術職には向いていないタイプだったのかもしれないと思います。それを採用試験で見抜くことができなかったのです。このようなこともあり、ここ5~6年は新卒・中途の採用試験では、エントリーした人を様々な観点から徹底してみるようにしています。

 この2人は、「使えない部下」といわれるほどにはひどくはないのです。ほかの業界などにいけば、活躍しうる人材だと思います。ただし、嘘の報告はダメですね。

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最終更新:8/19(金) 11:20

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