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アクティブ・ラーニングはゆとり教育の二の舞になる --- 中沢 良平

アゴラ 8/19(金) 15:10配信

アクティブラーニングって、何?

巷間話題になっているアクティブ・ラーニングとは、学習指導要領改訂の目玉である。文科省の解説によると、

“伝統的な教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学習者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学習者が能動的に学ぶことによって、後で学んだ情報を思い出しやすい、あるいは異なる文脈でもその情報を使いこなしやすいという理由から用いられる教授法。発見学習、問題解決学習、経験学習、調査学習などが含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワークなどを行うことでも取り入れられる。”

どう見ても、ゆとり教育の焼き直しである。たしかに理想は崇高である(ゆとり教育もそうだった)。授業を教師からの一方通行にせずインタラクティブに行う。話し合いによって子どもたちに認め合う心を育む。子どもの知的好奇心を救い上げて授業を組み立てていく。海外での成功事例もとても好感をもてる。しかし、これを日本の学校でやったら、どういうことになるか。

日本の学校に多様な意見は、ない

ホリエモン氏がめずらしく正鵠を射たことを言っている。

“日本では教育レベルで「自分で考えないでください」と教えられてきているからではないかと感じる。小学校の評価項目には「協調性」という項目があり、他人と違うことをするとダメ出しされる。(中略)結果、自分を抑えて周りに合わせていくことを覚えていく。結局、親も先生も「みんなと同じように合わせなさい」と言うしかない。
(99%の会社はいらない KKベストセラーズ)”

という日本の学校社会で、アクティブ・ラーニングを導入したらどうなるか。教師の結論ありきでそこにむかって議論なり話し合いの部品を提供する“空気が読める”子供がよい生徒となるのは目に見えている。これは、現状の教室でもすでに起きていることだ。海外での成功事例や経験がそのまま日本で再現できるという考えは現場を知らなさすぎる。

クラスの秩序に馴染めない子どもは発達障害というレッテルを貼られてしまうのが今の学校だ。そんな画一化された考え方を教え込む学校の中に、多様な意見を話し合う取り組みなどできるのだろうか。

結局は、現場の教員の資質をまったく理解していない政策として混乱を生み、夢物語として終わるだろう。

歴史は繰り返す、二度目は喜劇として

なによりもゆとり教育で、授業で話し合い授業ばかりしていたせいで、四則演算もままならない子供を大量に作ってしまったこと反省がまったくなされていないことに、怒りさえ覚える。

ゆとり教育によって、脱マニュアル教育を目指してマニュアル人間すら育成できなくなった。また同じ過ちを繰り返しているようで、私は悲しい。

中沢 良平(元小学校教諭)

中沢 良平

最終更新:8/19(金) 15:10

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