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【恩田社長の600日】Jリーグクラブの仕事はサッカーだけではない

webスポルティーバ 8/19(金) 19:30配信

FC岐阜・恩田社長の600日 ~Jリーグ地域クラブへの伝言~

 第7回 「地域貢献活動」改め『ぎふ元気活動』こそがクラブの原点


 私が社長に就任した際、メディアに向かって「やるべきこと」として宣言したことが、ふたつありました。ひとつは、スタジアムをいっぱいにすること。そして、もうひとつは試合以外の『FC岐阜』の活動を知ってもらうことでした。

【写真】FC岐阜で約2年半、指揮を執ったラモス瑠偉監督

 試合以外の活動と言われても、ピンと来ない人も多いのではないでしょうか。しかし、よくよく考えてみれば、試合はホームで2週間に1回しかなく、それだけではFC岐阜が提供するものとしては不十分です。かく言う私も、クラブの中に入って初めて知ったことばかりでした。

 Jリーグのクラブは、クラブが拠点を置く地域において、地域を活性化させる活動をする使命を持っています。地域に生かされ、地域に愛されてこそ、クラブは存続できるのです。この活動は「地域貢献活動」と呼ばれていました。『FC岐阜』は私が社長に就任する以前、今西(和男)社長が在任されていた頃は、この活動の回数が他のチームと比べて、ずば抜けて多かったと聞いています。そんなクラブの姿勢に共感し、古くからクラブを支えてくれている人も少なくありません。

 私は社長就任前に、いわゆる「地域貢献活動」に同行させてもらいました。向かった先は、岐阜市内の高齢者向けの施設です。そこの利用者さんに対して、ボールを使って体操をしたり、ゲームをしたりという内容です。

 利用者さんの中には、肢体に障害がある方もいらっしゃるし、理解力が低下している方もいらっしゃいました。お元気な方から障害の程度が違う方まで、一緒にレクリエーションするのは、かなり難易度が高いと思います。

 しかし、FC岐阜のスタッフは、大小さまざまなボールを用意したり、チーム対抗のゲームをしたり、苦労している利用者さんにはマンツーマンでついたりと、きちんと全員が参加する雰囲気を作り上げていました。そこにあるのは、みなさんの満面の笑顔でした。

 施設のスタッフの方に話を聞いてみました。「利用者さんはFC岐阜さんが来てくれるのを楽しみにしている。スタジアムまでは行けないけど、テレビで応援している人もいる。今まではサッカーにまったく興味がなかったのに。自分たちもFC岐阜のスタッフを真似してやろうとするけど、うまくいかない。さすがです!」とお褒めの言葉をいただきました。

 この高齢者訪問は、「キャラバン体操」と呼ばれるもので、何年も前から岐阜市より委託を受けて、継続して行なっている事業で、年間約200回開催しています。非常に有意義な活動だと思います。選手というキラーコンテンツを使わずとも、これだけのことができるのに驚きました。

 私は、この活動の認知及び拡大こそが『FC岐阜』の価値を高めることに繋がると思い、自分自身も可能な限り参加し、クラブ運営上、重きを置くことを決意して、冒頭の発言に繋がっていくのでした。

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最終更新:8/19(金) 19:30

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