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吉田沙保里、4連覇ならず。「時代」は妹分たちへと引き継がれる

webスポルティーバ 8/19(金) 19:50配信

 霊長類最強女子の「不敗神話」が終わった――。

 レスリング女子53キロ級・吉田沙保里が、決勝戦で敗れて銀メダル。オリンピック4連覇達成はならなかった。一方、前日の登坂絵莉(とうさか・えり/48キロ級)、土性沙羅(どしょう・さら/69キロ級)に続き、63キロ級の川井梨紗子がオリンピック初出場・初優勝を飾った。日本レスリング女子は目標とした「金メダル5個、全階級メダル獲得」には及ばなかったものの、金メダル4個・銀メダル1個を獲得。女子レスリング王国・日本の強さを、改めて国内外にアピールした。

【写真】女子レスリング4個目の金メダルを獲得した川井梨紗子

 吉田は昨年12月、アテネ五輪の翌年から所属していた綜合警備保障株式会社(ALSOK)を退社。フリーとなってオリンピックイヤーを迎えたものの、腰や股関節などを次々と痛め、さらにぜん息も悪化。アテネ五輪、北京五輪、ロンドン五輪の3大会と比べ、コンディションが最悪だったことは間違いない。それでも吉田は、「主将を引き受けると好成績を挙げられない」というジンクスを知りながら、日本代表選手団の主将を引き受け、自らを追い込み、奮い立たせた。

 そして、7月3日に行なわれた日本代表選手団結団式・壮行会では、1万人を超す応援者を前に、「いただいた勇気は、リオデジャネイロオリンピックで国民のみなさんに返さなければいけない」と決意表明。さらに、「いいときも悪いときもあるが、どんな状態でも必ず勝つ。オリンピック4連覇は絶対に成し遂げます」と誓った。

 リオまでの吉田は、優勝して「世界V16」を遂げたものの苦戦した昨年の世界選手権の教訓を活かし、徹底してガードを磨いてきた。同時に、「打倒・吉田」を目指す各国から研究され尽くした”伝家の宝刀”の高速両足タックルが入りづらくなっていることを補うため、投げ技やグレコローマンスタイルのように組んでからの戦い方を磨いてきた。そうした練習の成果は、リオでも確実に発揮された。

 大会初戦となったナタリア・シニシン(アゼルバイジャン)には、崩してからの片足タックルなどで4-0のシャットアウト。続く第2試合、2016年・アフリカ選手権優勝のイザベル・サンブ(セネガル)には、組んだ状態からバックに回って返し技3連発などで9-0と圧勝。さらに準決勝でも、五輪直前の大会から順調な仕上がりを見せているベツァベス・アルゲリョ(ベネズエラ)に片足タックルを決める一方、相手がタックルに入ってきたところもバックに回って6-0。3試合失点ゼロで決勝戦へと駒を進めた。

 あと1勝すれば、前日の58キロ級・伊調馨に続いてオリンピック4連覇達成の夢が叶う。ところが、好事魔多し。第1ピリオド、対戦相手のヘレン・マルーリス(アメリカ)の消極性から30秒ルールで1点を奪取し、1-0のまま試合は進む。しかし第2ピリオド後半、吉田が首投げを打ちにいったところを逆にバックに回られて2失点。さらに、ハルーリスが圧力をかけ続けると後退し、ゾーン際でまたしてもバックを取られて2点を奪われる。

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最終更新:8/22(月) 17:20

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