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待望の自叙伝第二章発売から1カ月!! 羽生結弦ファンはもちろんみんな読んだよねー!?

ダ・ヴィンチニュース 8/19(金) 17:30配信

 自叙伝一作目となる『蒼い炎』発売からおよそ4年が経ち、遂に待望の第二巻『蒼い炎2―飛翔編―』(羽生結弦/扶桑社)が発売された。本作はフィギュアスケート選手である羽生結弦の2012年から2016年の軌跡が、インタビューに答える彼の言葉を多く用いて綴られているファン垂涎の一冊だ。

 常々思っていたけれど、自叙伝を手にして改めて感じた。羽生選手の人生は、本当にドラマみたい。

 よく知らない方は彼の「栄光」しか知らないだろう。オリンピックで金メダルをとった。凱旋パレードには9万人以上の人が集まった。2015年には男子フィギュアスケート世界最高得点を叩き出した……メディアで報道される羽生選手は、まるで完全無欠のヒーローのようだ。

 しかし、本作を読むと、その印象は大きく変わる。

 実に多くのことを考え、悩み、体調不良やケガに苦しみ、様々なプレッシャーを感じ、日々フィギュアスケートと向き合っている。そのたゆまぬ努力の結果が、華々しい成果に結びついているのだ。

 2011年の東日本大震災での被災をはじめ、2014年での公式練習中の接触事故やその後の体調不良など、神様は羽生選手を「これでもか」というほど苦しめる。

 本書は、栄光の陰にある知られざる苦悩を明らかにし、羽生ファンなら「もっと好きになり」、よく知らない、あまり興味ないという方にも楽しんでもらえる一冊だと思う。繰り返すが、羽生選手の人生は「まるでドラマみたい」だからだ。

 本書では、2012年の世界選手権から練習拠点をカナダに変え、新しい環境や課題に向き合っていたことから、12~13年のケガに苦しんだシーズンを終え、2014年のソチオリンピックで、本人も驚いたという金メダル(羽生選手としては完璧な演技ではなかったため、1位になるとは思わなかったそうだ)のことも詳細に語られている。

 オリンピック後には一躍その名が広まり、更なるステップへ進むべく邁進するが、中国杯の6分間練習で他選手との接触事故。血を流しながら氷上に倒れ込むという衝撃的な映像がテレビに流れた事件について。その後も「尿膜管遺残症」での手術や後遺症を乗り越え、「330.43点」という世界歴代最高得点を記録したことまで、詳細に記述されている。

 羽生選手は、当時の気持ちをあくまで客観的に、そして鮮明に語ってくれている。ソチオリンピックで金メダルをとった後も、

本当にびっくりしているとしか言いようがないです。はっきり言って、自分の演技には満足していないですし、トリプルフリップという自分の中ではわりと確率の高いジャンプをミスしてしまったので、少し緊張していたのかなと思います。

 と、感情を述べながらも、自己を客観視している。

 またその際、外国人記者から東日本大震災のことを尋ねられ、力強く、真摯な発言をしている。

五輪の金メダリストになれたからこそ、スタートなんじゃないかなと思います。ここから復興のためにできることがあるんじゃないかなと、今思っています。

 本書では羽生選手の口から、様々な「当時の」感情を聞くことができる。

 真面目な受け答えもあれば、「仙台からトロント(カナダ)に移る時は悲しかった。僕はすごくお姉ちゃん子だったから」や、中国杯の接触事故について「今考えても、『よく滑ったな』と思います(苦笑)」など、素直で人柄の伝わるコメントも満載だ。「ストイックで完璧」とは相反する顔を見せてくれるところも、羽生選手の魅力かもしれない。

 羽生選手は、本書を「読んでくれた方が、自分の大切なものを感じたり、何かを考えたりするきっかけになったら」と考えている。最後に、羽生選手のコメントをお借りして、記事を締めくくりたいと思う。

人が思いを伝えようとする時には、インターネットだったり、電話や手紙など、何か道具が必要です。(中略)僕という人間を通して、皆さんが自分の気持ちを伝えるきっかけになればいいな、と。僕というネットワークを使って、いろいろな気持ちを発信してほしいと思っています。

文=雨野裾

最終更新:8/19(金) 17:30

ダ・ヴィンチニュース

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