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パティ・スミスがニコに捧げた、不穏なムードたっぷりの『Fearfully in Danger』を聴く

ローリングストーン日本版 8/19(金) 16:00配信

スミスが、娘のジェシー・パリス・スミスとサウンドウォーク・コレクティブとコラボレートした『Fearfully in Danger』は、ニコのトリビュート・アルバム『キラー・ロード』に収録される。

【動画あり】パティ・スミスがニコに捧げた、不穏なムードたっぷりの『Fearfully in Danger』を聴く

パティ・スミスが、娘のジェシー・パリス・スミスとサウンドウォーク・コレクティブの3人とコラボレートしたニコのトリビュート・アルバム『キラー・ロード』に収録される1曲、『Fearfully in Danger』のMVが公開された。同アルバムは、ベルベット・アンダーグラウンドとともに活動していたニコの歌や詩の世界を、スミスならではの新たな解釈で制作したもの。この記憶に残るMVは、コレクティブがドイツでライブを行った時に撮影されたものである。

「このMVは、2014年の10月にベルリンのフォルクスビューネで行われた『キラー・ロード』のコンサートから生まれたもので、このコンサートからアルバム制作が始まったんだよ」とサウンドウォーク・コレクティブのシモーネ・メルリはローリングストーンに語った。「フィールド・レコーディング、歌詞、アコースティック楽器と電子楽器など、色々な表現要素が折り重なってできたようなユニークな曲なんだ。パティが即興でニコの詩を再解釈できるような余白を残すことも意識した。僕たちは、観客を情熱的かつ繊細な世界に引き込むための、音の渦のようなものを生み出せる演奏をしたかったんだよ」。

バーバラ・クラインが演出と編集を手がけたこの荒々しいMVは、 音の波が引いては返すようなオープニングで始まる。ボリュームはハーモニウムの前から高まり、そこにシンセサイザーとシンギング・ボウルがミックスされていく。

「平和的な海の音に始まり、そこからパワフルなサウンドへ、そして絶え間なく広がり続け、最後は解放へとつながる。そんな風に音を段階的に積み上げていこうと思ったの」と、ジェシー・パリス・スミスはローリングストーン誌に語った。「母は意図なくとても自然に音楽の世界に入っていくと、音や詩が彼女を何処かに連れて行ってくれるような感覚に身を任せて、ニコの言葉を再解釈していったのよ」。

スミスは歌の歌詞をアレンジし、抑揚なく歌うことで効果的に旋律を積み上げていくと、ニコの最後のアルバムとなった『カメラ・オブスキュア』で描かれた言葉の世界をささやくように横断した。"あなたにぴったりな埃まみれの道、恐ろしいほどに危険な"と、スミスは重苦しく不吉な前兆を感じさせて歌う。"私の不敵な振る舞いが冒険を究めた"と。

アルバム『キラー・ロード』は、セイクリッド・ボーンズ・レコーズから9月2日にリリース予定。タイトルチューン『キラー・ロード』のMVもまもなくベールを脱ぐ。同アルバムはニコへのトリビュートで、彼女の忘れがたいサウンドスケープを通じて、彼女の最後の瞬間を探求するような作品となっている。クリスタ・ペーフゲンという名で生まれたニコは、1988年にスペインのイビサ島で自転車に乗っている時に心臓発作を起こし、その後病院に運ばれたがその日の夜に死亡が確認された。

Translation by Sahoko Yamazaki (RSJ)

Althea Legaspi

最終更新:8/19(金) 16:00

ローリングストーン日本版

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