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部下の成長を絶対に諦めないリーダーたち

JBpress 8/19(金) 6:10配信

 「経営をやってきて良かったと思える瞬間とは?」

 これまで何人もの経営者の方にこの質問をしてきた。その答えの大半を占めるのが、「従業員の成長を目の当たりにした時」だった。そして、従業員の成長を目の当たりにした時、経営者は経営者としての自信を持てるようになる。

 「藤田さん、もう20年近く経営をやってきましたが、やっと自分に少し自信を持てるようになりました」

 以前、あるコンサルティング会社の経営者から、ふとそんな話をされた。

 「と言いますと?」。そう聞き返すと、その方はこんな話をされた。

■ 失敗ばかりする問題社員が一転

 ある事業部のリーダーを任せている部下がいる。彼は部下からの人望も厚く、お客様からの評判も上々だ。

 彼がリーダーを担当する前、この事業部は今後の可能性を見込まれる分野ではあったものの業績は伸び悩んでいた。

 チームや組織はリーダーが変わると業績も大きく変わる。

 彼がリーダーを担当してから、この事業部は社内の売り上げの大半を占めるまでに成長し、今後もさらなる成長が見込まれる。

 そんな彼であるが、細かい実務をやらせるとミスが多く、その能力は低いと言わざるを得ない。彼に細かい実務を担当させていた頃は、重大なミスをしてお客様からクレームをもらうことが多々あり、何度も社長が謝りに行った。

 ひどい時は謝りに行った際、お客様複数人に社長が部屋に閉じ込められ、数時間にわたって罵倒を浴びせかけられたこともあるとのことだった。

 社長というのは経営の全責任を負っており、責任問題になった場合は自らの個人財産を全て投げ打ってでも責任を取らなければならない場合もある。部下の責任は最終的には社長の責任となり、部下のミスは社長のミスとなる。

 そういった意味では、部下を信じて仕事を任せるということは人生をかけて部下を信じることだとも言える。それでもこの社長はミスを繰り返す彼を信じ、粘り強く指導を続けた。

 そして、彼の年次がずいぶん上になったある時、思い切って事業部のリーダーに抜擢したところ、細かい実務は部下に任せ、自分はチームをとりまとめる役割を見事に果たすようになった。

 彼は部下の面倒見がよい。自分がミスを重ね、社長にたくさんの苦労をかけてきただけに、部下の気持ちや痛みがよく分かるのだろう。

 そういうリーダーシップが人望となり、一体感のあるチームを作っていった。彼は今、自らの得意とする仕事で伸び伸びと活躍している。その状況について社長はこう話す。

■ 経営者の自信は部下を育ててこそ得られる

 「今、彼がリーダーとして活躍している姿を見て、ここまで彼を信じてこれた自分に自信が持てるようになりました。人を育てるってこういうことなんだと」

 「彼は本当に苦労してきたけど、その苦労がなかったら、彼は今のような部下からの人望はなかったでしょう。苦しい過去が全部彼の財産になっている。そして、私にとっても彼との苦しい過去を乗り越えてこれたことが自信になっています」

 多くのビジネスモデルにおいて、人の成長と業績は比例する。つまり、人を成長させることができるかどうかが経営のカギを握る。

 そのため、人を成長させることができた経験はリーダーとしての自信につながる。部下を成長させるということは、部下のため、組織のためになるのみならず、リーダーがリーダーとしての自信を得るためにも極めて重要なこととなる。

 右肩上がりの増収増益の法律関連の業務を扱う企業がある。人員拡大に伴い、着々とオフィスを増床している。

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最終更新:8/19(金) 6:10

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