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財閥オーナー特赦、病気のCJ会長だけ

JBpress 8/19(金) 6:00配信

 毎年8月15日は韓国では日本からの独立を記念する「光復節」の公休日だ。この日を待ち続けている人は少なくない。

 「特赦」が実施されることが多いためだ。今年も142万人がこの恩恵を受けたが、注目の財閥オーナーはCJグループの会長だけだった。

 日本では「恩赦」というが、韓国では大統領が持つ権限に特別赦免(特赦)がある。特定の犯罪に対する刑を消してしまうことだ。刑が確定していない場合は、公訴権を消してしまう。

■ 罪が「なかったこと」に

 有罪になっていても、大統領が刑を「なかったこと」にしてくれるということだ。

 こんなマジックのようなことがあるのなら、期待しないはずがない。

 特に、特赦があるごとに期待を高めているのが企業家、特に、財閥オーナーたちだ。韓国の主要な財閥オーナーで、有罪になっても「特赦」にならなかった例を捜す方が難しいほど以前は、一般化していた。

 2016年も、何人かの財閥オーナーが「特赦」を心待ちにしていた。

 特に、朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領が、7月11日の青瓦台(大統領府)での首席秘書官会議で財閥総帥を除外しないという趣旨の発言をしたことから、「有罪」になっていた財閥オーナーたちは色めき立った。

 「対象者」がいる財閥の渉外担当役員などは、あの手この手で「親分」が対象者になるように努力したようだ。

 2016年8月11日、韓国の法務部は特赦実施についての発表をした。

 この日、対象となった財閥総帥は1人だけだった。

■ CJグループ会長とは誰か

 李在賢(イ・ジェヒョン=1960年生)CJグループ会長だった。李在賢会長は、脱税・横領などで懲役2年6か月、罰金252億ウォン(1円=10ウォン)の判決を受けた後、大法院(最高裁判所に相当)に再上告していた。

 しかし、大統領の発言から1週間後の7月19日にこれを取り下げた。徹底抗戦の姿勢を示していた李在賢会長がどうして急に法廷闘争を放棄したのか。係争中の場合、「特赦」の対象でなくなるためだ。

 李在賢会長は、大統領の発言から自分が対象者になる可能性があると読んだのかもしれない。李在賢会長は、サムスングループ創業者である李秉喆(イ・ビョンチョル=故人)氏の長男のそのまた長男、つまり直系の孫だ。

 創業者はサムスングループの後継者として当初は長男を考えたが、その後、3男の李健熙(イ・ゴンヒ=1942年生)氏を選んだ。

 父親である創業者と対立していた長男は事実上、家から追放されたが、その息子、つまり李在賢氏には、優良食品企業だった第一精糖(チェイルチェダン)を継承させた。これがCJグループの前身だ。

 CJグループは、食品、外食産業を中核に、映画、テレビ番組制作、CATV局の統括運営(MSO)などメディア関連事業や物流事業にも進出した。

■ サムスンから分離、財閥14位

 韓国の公正取引委員会の調べでは、2016年4月現在で資産規模は24兆8000億ウォン(1円=10ウォン)で韓国の財閥ランキングで14位だ。とはいえ、李在賢会長が、財閥の総帥だからという理由で「特赦」になったわけではなさそうだ。

 以前は、財閥総帥の経済犯罪に対しては、「懲役3年執行猶予5年」という判決が「定番」だった。執行猶予付きだから、財閥総帥は通常の業務を続ける。しばらくすると、「経済活性化のためもう一度機会を与える」などとの理由で、「特赦」になる例が多かった。

 だが、最近は、こうした財閥総帥に対する「特別待遇」に対する世論の批判が強まり、政治家と並んで財閥総帥の犯罪については、判決も重くなり、「特赦」の対象から外れることが多くなってきた。

 では、どうして李在賢会長が「特赦」を受けたのか。「人道的な理由」との見方が多い。

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最終更新:8/19(金) 6:00

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