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ディズニーシーにどうして大人もハマるのか? パークに仕掛けられた目に見えない魔法とは

BEST TIMES 8/20(土) 17:00配信

 2016年9月4日、開業15周年を迎える東京ディズニーシー。来園者の多くがリピーターと言われているディズニーリゾートには、連日幅広い年齢のゲストが足を運んでいます。リピーターの中には、年間パスポートを所有し、仕事帰りにふらっと立ち寄るなんていう会社員の方も少なくありません。それほどまでに大人をハマらせる魅力とは何なのか?  『701回通ってわかった ディズニーシーで史上最高の1日を過ごす方法』(ベストセラーズ刊)の著者であり、10数年来パークに通い続けているディズニーブロガーのみっこさんが解説します。

◆ディズニーシーは「屋外の美術館」である

 一般的なテーマパークは、いわゆる「遊園地」やその進化系。休日に家族や恋人、仲間と過ごす場所、というイメージがあります。
 ディズニーシーがそれらと決定的に違うのは、建物や街並みが歴史や史実に基づいて、細かなところまで正確に描写されていること。美しい街並みはそれだけでも「美術品」と言える価値があり、当時の時代考証などが取り込まれているパーク全体は「屋外の美術館」と言ってもいいでしょう。
 ロストリバーデルタにある「インディ・ジョーンズ®・アドベンチャー」の外壁には、よく見ると顔の形をした部分があります。これは雨の神様「チャーク」で、同エリアのモデルになっている、中央アメリカのユカタン半島の遺跡に実際に見られるものです。
 また、パーク内の小物は、実際に使用されていたものが置かれていることがあります。例えば、レストラン「ニューヨーク・デリ」にある古びたミシンの型番を調べると、20世紀初頭のアメリカで実際に使用されていた本物だとわかります。
 もちろん、ランドにもゲストを楽しませるこだわりがありますが、「夢や空想の世界」であり、言ってみれば「何でもあり」の自由な世界。
 それに対して、事実の裏づけがされているのがシーであり、だからこそ「美術館」であると言えるのです。「大人向け」というコンセプトで誕生したパーク。単なる景観の美しさだけでなく、背景まで楽しめるようつくり込まれているのです。

◆パークエントランスにかけられた、徐々に高揚感を高めていく魔法

 私たちがパークを訪れて一番はじめに通過する場所、すなわちパークエントランスをくぐると、巨大な地球儀「アクアスフィア」が迎えてくれます。「冒険とイマジネーションの海へ」と旅立つ私たちに、高揚感を与えてくれますが、ここに「さらなる配慮」が隠されています。
 ランドにも共通することですが、入園ゲートを通過しても、「プロメテウス火山」や「シンデレラ城」はすぐには見えません。これは、パークのシンボルを少しずつ見せることで、ゲストの高揚感を徐々に高めていくためなのです。
 また、ランドは全体的に地面が「平面」になっているためワールドバザールの途中からシンデレラ城が見えます。
 一方、シーの場合は地球儀「アクアスフィア」からパーク入口に向かって「ゆるやかな下り坂」になっていることにお気づきでしょうか。これにより、「アクアスフィア」の位置から海やプロメテウス火山が見えないようになっているのです。
 パーク内へ進んでいくと、最初に海が見え、フォートレス(要塞)、噴煙立ち込めるプロメテウス火山……という順で視界に入り風景が変化していきます。
 プロメテウス火山はシンデレラ城と同じ、高さ51メートルなのですが、エントランスの地面に高低差をつけることで、「雄大な自然」の象徴を、より効果的かつ効率的に魅せる演出がなされているのです。

◆ランドは閉ざされた魔法の空間、シーは現実ととながる冒険の世界

 ランドの各テーマランドは、目に見える範囲の「限られた空間」に夢や魔法、空想の世界が広がっています。これは言ってみれば、「平面的な空間」につくられた世界。
 対して、ディズニーシーの各テーマポートは、「立体的な空間」が意識されているという特徴があります。
 例えば「センター・オブ・ジ・アース」や「海底2万マイル」などのアトラクションの舞台となっているプロメテウス火山。「地上51メートル」はランドのシンデレラ城と同じ高さですが、こちらは自然の山を模しており、地上から地下まで、「高さの概念」の規模が、圧倒的に大きいのです。
 また、スケールの大きさは実際の高さだけではありません。「センター・オブ・ジ・アース」は地底800メートル以上の深さからマグマの力で噴出される、という設定のアトラクション。「海底2万マイル」では、潜水艇に乗って海の中を進み、さらには深海にたどり着くなど、各アトラクションに、壮大なストーリーがあります。
 さらに、本物の海(東京湾)を景色に取り入れることで、大海原へ旅立つコロンビア号を演出しているように、シーでは「借景(しゃっけい)」のテクニックも多く使われています。
 意図的に閉鎖的な空間をつくっているランドに対し、シーは「パーク全体の空間的な概念が無限に広がっている」と言えるのです。
 限られた空間を最大限有効に使う、見えないテクニック。私たちは知らぬ間に「空間を操る魔法」にかけられているのかもしれませんね。

<『701回通ってわかった ディズニーシーで史上最高の1日を過ごす方法』より抜粋>

文/みっこ

最終更新:8/20(土) 17:00

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