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リオ五輪聖火ランナーの森万里子が語る、アートへの思い

VOGUE JAPAN 8/20(土) 22:30配信

国際的に活躍する現代アーティスト、森万里子の作品「Ring: One with Nature」が、リオ五輪の公式文化プログラムに認定された。リオデジャネイロの州立公園内に恒久展示されるこの作品。さらに、聖火ランナーとしてブラジルの地を走る彼女に作品制作やオリンピックに関わるアーティストとしての思いについてうかがった。

聖火ランナーとして走る際のスニーカーを披露!

ーー「Ring: One with Nature」は、高さ58mもある滝の上に設置されるそうですね?

ブラジルのリオデジャネイロ州にある「花嫁のベール」と呼ばれる滝です。設置するリングは直径3mほどあり、アクリルの世界的メーカー、日プラと共同で開発してきました。太陽があたっている時には青色で、光が透過すると金色になるように色を重ねているんです。その色調整が非常に難しく、その作業だけでも2年間もかかってしまいました。

ーーこのリングは、自然とひとつになる和「Oneness」や永続性「Eternity」、完全さ「Completeness」を象徴しているとうかがいましたが、何かインスパイアされたものがあるのでしょうか?

構想のもとになっているのは、7年前に夢で見た鮮明なヴィジョンなんです。太陽のように眩しく、神々しい巨大な黄金の輪が滝の上に現れ、祈りながら見守っていた人々が歓声をあげる、というものでした。その時から、この夢の景色をもう一度見てみたい、自分の作品で再現したいと思うようになったんです。今回、このように実現するまでには、本当に多くの方にご協力いただいてきました。

ーーこの「Ring: One with Nature」は、大自然の中にモニュメンタルな現代アートを恒久展示する、サイトスペシフィックアートシリーズの第二作にも位置づけられています。世界6大陸に一つずつ設置することを目指したこのプロジェクトは、日本の宮古島にある七光湾に設置された第1作「Sun Pillar(サンピラー)」(2011年)がきっかけでスタートしたそうですね?

日本の神道もそうであるように、自然を崇敬する念や、そこから発する伝統は太古の時代から世界中にあったものです。「Sun Pillar」を設置した時に、そういった思想や心をもう一度私たちが思い出さなければならない、この伝統を継承していかなければならないと強く感じさせられたんです。そして、世界に発信していこうという思いで、シリーズ化することにしました。

ーー今回、ブラジルに設置することになったきっかけは何かあるのでしょうか?

ちょうど「Sun Pillar」を設置した同じころ、個展「Oneness」展がブラジルの3都市を巡回していました。この時ブラジルの風土に触れ、ここなら理想の滝があるんじゃないかと思ったのが直接のきっかけになります。それから数え切れないほどの滝をめぐり、今回作品を設置する滝に巡り会いました。

ーー現地を巡ることで得た、ブラジルという国に対する印象はどのようなものなのでしょう?

人がすごくあたたかいんです。自然や風土もものすごく濃厚で、とてもエネルギッシュ。その生命力の強さを音に例えるなら、いろいろな種類の動物や植物の声が奏でる、オーケストラの演奏のようだと言ったら良いでしょうか。人間はそういう動物の中のたった一種にすぎないということを感じさせられました。

Interview: Akiko Tomita Editor: Maki Hashida

最終更新:8/20(土) 22:30

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