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エスパス ルイ・ヴィトンでピエール・ユイグの映像に溺れる。

Casa BRUTUS.com 8/20(土) 13:00配信

ダニエル・ビュランのインスタレーションも話題のパリの〈フォンダシオン ルイ・ヴィトン〉。

その財団が所蔵する現代美術作品をパリ以外のエスパス ルイ・ヴィトンで紹介する『Hors-les-murs(壁を越えて)』プロジェクトの一つとして、ピエール・ユイグの個展を東京で開催中。謎に満ちた映像世界に包まれます。

今回の個展で展示されているのは《The Host and the Cloud》(2009-2010年)と《A Way in Untilled(未耕作地の場景)》(2012年)の2つだ。《The Host and the Cloud》は使われていない民俗誌博物館で1年かけて撮影されたもの。ハロウィン、バレンタインデー、メーデーの3日間に起きたことが断片的につなぎ合わされて約2時間の長編映画になっている。博物館の職員は俳優たちが演じた。あらかじめシナリオが設定された部分もあれば、即興的に演じている部分もある。

「ミュージアムはある意味でものごとを分類する場所だけれど、僕は何かを連続させる場が必要だと思った。だからこの場所を選んだ」とかつてユイグは語った。

ピエール・ユイグが注目を集めるようになったのは1996年、ニコラ・ブリオーが「関係性の美学」というテーマでキュレーションしたグループ展「トラフィック」でのことだった。リクリット・ティラバーニャ、カールステン・ヘラーらが参加したこの展覧会は後に「リレーショナル・アート」、関係性を重視するアートの先駆けと目されるようになる。不在の主体を巡って博物館の職員が行き来する《The Host and the Cloud》はユイグなりのリレーショナル・アートの解釈なのかもしれない。

もう一本の《A Way in Untilled》は2012年夏、世界的なアート・フェスティバル「ドクメンタ(13)」の会場となっているドイツのカールスアウエ公園で撮影された。そこは人工物や動植物、人間やバクテリアが培養されることも、誰かが関心を寄せることもなくうち捨てられている「コンポスト」だ。そこでは女性像の頭に蜂が群がり、その周囲で有機物が腐敗し、脚が一本、蛍光ピンクになった犬が歩き回る。

「脚をピンクに塗ったのは犬ではなく、まったく別のものに見えるようにしたかったから。ピンクを選んだのはごく個人的な理由だ。ピンクを見るとセックス・ピストルズを思い出すんだ」(ユイグ)

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最終更新:8/20(土) 13:00

Casa BRUTUS.com

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