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樋口黎、レスリング男子32年ぶりの学生「銀」。4年後に希望の光

webスポルティーバ 8/20(土) 19:10配信

 映画『ALWAYS 三丁目の夕日』に登場する少年のような、どこか懐かしいあどけなさが残る20歳7ヶ月の大学3年生――。日本レスリング史上6番目となる若さでオリンピック出場を果たしたフリースタイル57キロ級・樋口黎(ひぐち・れい)が見事、銀メダルを獲得した。

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 レスリング男子の学生メダリストは、2008年北京五輪・銅メダリストの湯元健一(60キロ級)以来。学生の銀メダル獲得となると、1984年ロサンゼルス五輪の赤石光生(62キロ級)までさかのぼり、実に32年ぶりの快挙である。

 また、日本レスリングがもっとも得意としてきたフリースタイル最軽量級(ロンドン五輪までは55キロ級)では、アテネ五輪の田南部力(たなべ・ちから)、北京五輪の松永共広、ロンドン五輪の湯元進一に続き、4大会連続でのメダル獲得となった。

 昨年12月末に行なわれた天皇杯・全日本選手権で、10代で初優勝を飾った日本体育大の樋口は、オリンピック予選の出場権をゲットすると、今年3月のアジア予選も難なく制し、一発でオリンピック代表の座を掴んだ。そして、本番直前の6月には、ヨーロッパ遠征を敢行。国際大会2連覇を果たし、リオに乗り込んだ。

 オリンピックはもちろん、世界選手権への出場経験すらない。世界に手の内を知られていない“日本の秘密兵器“は、オリンピック前、強気の発言を繰り返した。

「初めて戦う相手には、強いんです」「プレッシャーがかかればかかるほど、力を発揮できるタイプです」「体操の内村航平選手も、たしか北京オリンピックが最初の国際大会でしたが、銀メダルを獲りましたよね。初めてだから、とかは関係ないと思います」

 恐れを知らぬルーキーは、自らの発言どおり、リオの大舞台でもその強さを遺憾なく発揮した。武器となったのは、どんな間合いでも、どんな体勢からでも相手の足に触り、確実に極(き)めていく片足タックルだ。

 初戦の相手は、2014年の世界選手権を制したヤン・ギョンイル(北朝鮮)。その実力者に樋口は臆(おく)することなく、いきなり片足タックルを炸裂させた。さらにローリングでポイントを重ね、4分14秒のテクニカルフォール勝ち。2回戦も勢いは止まらず、アサドラ・ラナチウ(ベラルーシ)を4分18秒で10-0とし、連続テクニカルフォール勝ちを収めた。

 これが、“若さ“というものだろうか。昨年暮れ、全日本チャンピオンになってから一直線の右肩上がりで伸びてきた樋口は、オリンピック本番でも一戦ごとに自信をつけ、成長していった。

 準々決勝、ますます調子が上がってきた樋口は、ヨウリス・ボネ・ロドリゲス(キューバ)にも片足タックルを軸に、ローリング、投げ技を極めて8-4で勝利。さらに準決勝では、2013年の世界選手権55キロ級チャンピオンで、昨年の世界選手権でも銀メダルを獲得したハッサン・ラヒミ(イラン)に対し、試合開始20秒で得意の片足タックルからバックに回って先制。その後もグラウンドでの攻防をことごとく制して10-5で撃破し、今大会、日本レスリング男子ふたり目のファイナリストとなった。

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最終更新:8/20(土) 19:10

webスポルティーバ

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