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アリス・クーパーが分析する"奇妙な"米大統領選:「俺はトム・ハンクスに投票する」

ローリングストーン日本版 8/20(土) 17:00配信

1972年のヒット曲『アリスは大統領』の新バージョンを公開したアリス・クーパーが、「"トランプが嫌いだからヒラリーに投票する"っていう状況だよね」と米大統領選を分析。

アリス・クーパーは、11月の大統領選で誰に投票するか決めているという。トム・ハンクスだ。「彼の名前を書こうかと思ってる」。アリス・クーパーは笑いをこらえながらこう話す。意外にも政治に無関心なハードロッカーが、政治について意見することはこれまでなかった。アリス曰く、ロック歌手はアドバイスを求めるべき存在でないのだ。「俺はファンが"誰に投票するべきかな?"とか聞いてくるのが嫌でさ」と彼は言う。「なんでロックスターが君たち以上に知ってると思うかな?俺たちはロックスターなんだ。つまり、君たちよりも賢くないわけ」

マイケル・ムーアが指摘:「ドナルド・トランプは、本当は大統領になんかなりたくないんだ」

この自虐的なショック・ロックの帝王が、政治で唯一関心を持っているのは、政治の「ばかばかしさ」だという。だからこそ、面白半分に大統領選に立候補したり、1972年の風刺的なシングル『Elected/アリスは大統領』のニュー・バージョンを公開したりしたのだろう。『アリスは大統領』は音楽的には、ザ・フーのピート・タウンゼントの影響を受けているが(「パワーコードを全部使うんだ」とアリス・クーパーは驚いてみせた)、その歌詞は、当時大統領選に再出馬していたリチャード・ニクソン元大統領からインスピレーションを受けている。「ニクソンよりも攻撃的なのは俺だけだってことが分かった」とアリス・クーパーは言ってのける。「だから、"アリス・クーパーを大統領に"っていうのが正しいことだって気付いたんだ」。その年、ニクソン元大統領は97%の票を獲得した。それ以来、アリス・クーパーは大統領選の年には必ず、『アリスは大統領』をライヴで披露している。

アリス・クーパーが語る大統領選

ローリングストーン誌は、スーパーグループ、ハリウッド・ヴァンパイアーズのツアーを終え、ソロツアー中のアリス・クーパーに、『アリスは大統領』が与えた影響や米国の政治の現状について話を聞いた。

─『アリスは大統領』のレコーディングについて覚えていることは?

ジョン・レノンのお気に入りの曲だったんだ。ニューヨーク市にある俺のオフィスにやって来て、一緒にレコーディングしたものを聴いたりしてね。彼、3日連続で来たりしたんだ。廊下ですれ違った時に「良いアルバムだね」なんて言ってくれた。彼、政治が大好きだったんだ。「完全な風刺だって分かってるか?」って聞いたら、「そうだね、でも理解したよ」って言ってた。クールなことだったね。

─曲のアウトロで、「みんな問題を抱えてるけど、俺は気にしない」とあります。何よりも一番正直な公約だと思います。

ライヴでこの曲をやると、この歌詞のところで観客はいつも大盛り上がりさ。

─最近のライヴでこの曲を披露する時に、ゲストをステージに迎えてますよね。

(俳優たちが)ヒラリーとトランプのゾンビ・バージョンを演じてるんだ。握手をするところ、トランプがヒラリーの尻をつねるところ、ヒラリーがトランプにビンタするところ、ロマンティックなキスをするところ、それからまた争うところまで全部演じてもらってる。観客は大喜びさ。

─昨年(2015年)の10月に、今年は「史上最も面白い選挙」が繰り広げられるのではないかと話してましたよね。今現在も楽しんでいますか?

もちろん。カート・ヴォネガット的な感じで面白いよね。それに、みんな候補者に投票したくないってのも面白いし、ある意味本当に狂ってる。ほら、みんな反対票を入れたがってるよね。「ヒラリーが本当に好き。彼女に投票するよ」とか言ってる人を誰一人として思いつかない。そんなんじゃなくて、「トランプが嫌いだからヒラリーに投票する」っていう状況だよね。あるいは、「トランプは嫌いだけど、彼女はもっと嫌い」っていう状況。本当に誰かを支持してる人はいないんだ。

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最終更新:8/20(土) 17:00

ローリングストーン日本版

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