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【最新研究】サメやゾンビが大暴れする“低俗B級映画”ファン、実は知能が高かった!?

おたぽる 8/21(日) 11:00配信

“B級”なホラー映画やあるいは最近各社が多く手がける“SFサメ映画”の人気はなかなか手堅いものがあるという。いったいどのよう人々が好んで観ているのか? これらのジャンルの映画を好むのは意外にも(!?)、教養の高い人々だという研究が報告されている。

■B級映画ファンは教養ある“文化的雑食動物”

「モーツァルトを聞くとIQが上がる」「IQの高い人はクラシック好き」など、音楽と知能の関係は以前からいろいろな研究が行なわれているが、映画と知力の関係はあまり研究されていないのかもしれない。映画は個々の作品それぞれが独特であるため、読書と同じく好みの映画は、当人の“知的レベル”を如実にあらわしていると考えられ、研究するまでもないものとされてきたような感もある。

 とすれば、いわゆる低俗でB級な映画を好んで観る人は、やはり“知的レベル”が低い人々なのか? だがしかし、実はそうではないという研究が先頃、オンライン学術ジャーナル「Poetics」で発表された。B級映画好きは概して教育水準の高い人々だというのだ。

 研究を行なった独マックス・プランク経験美学研究所の研究チームは、まずどんな要素がその映画を“B級”するのか、B級映画(trash films、trashy movies)の定義を定めた。そこでまず最初にくるのが、低予算による“チープさ”にあるという。重厚な内容の映画が好きな人にはこれはマイナス点となるが、この“チープさ”によって、大量のタイトルを供給できるというジャンルとしての利点もある。そして研究チームは、B級映画好きの人々を対象にオンラインの調査を行い、B級映画ファンの特色を浮き彫りにしたのだ。

 B級映画ファンは、制作サイドを分析をすることを楽しみ、会話や物語構造に興味を持っている傾向があるという。そういう観点から映画を楽しむ限り、確かに配役や画像処理などの要素は二の次になりある意味で純粋に映画を楽しめることになる。

「このような観客にとってB級映画はとても興味深く、(ハリウッドなどの)本流から外れた作品として歓迎すべきものなのです」と、マックス・プランク経験美学研究所のケイバン・サーコーシュ氏は「Independent」紙の取材に応えている。そして、調査によれば、B級映画好きは平均以上の教育のある人々が多く“文化的雑食動物”を自認する人々も多いという。

■存在感を増しているB級映画ファンの“映画評論”

「B級映画ファンは、伝統的なジャンル区分を越えた、幅広い範囲のアートとメディアに興味をもっています」(ケイバン・サーコーシュ氏)

 つまり、この種の人々は批評家精神をもってB級映画を楽しんでいるのであって、必ずしも個別の作品に心酔しきっているわけではないということになる。そして自分から作品の魅力と楽しさを探しているということだ。つまり、積極的にB級映画を鑑賞しているのだ。

 作品の傾向としては、やはり血が飛び散るスプラッターなホラー映画が好まれるという。“サメ映画”の人気については、最近の新しい傾向であるようだ。そして、B級映画ファンは女性よりも男性に多いこともわかっていている。ネット上で映画評論を投稿したり、フォーラムで映画談義を交わしたりする人々もB級映画ファンには多く、その書き込みがますます存在感を増してきているようだ。

 映画産業が華やかなりし頃、いわゆる“プログラム・ピクチャー”と呼ばれる低予算、短い撮影期間の娯楽作品が大量に供給されていた時期がある。残念ながらそれらのコンテンツはテレビなどへとメディアを変えて衰退しつつ今日に到っているわけだが、先日公開された『シン・ゴジラ』のネット上の盛り上がりなどを見ると、再び“プログラム・ピクチャー”の時代のような“観客総批評”的な映画の楽しみ方ができる下地は整っているのかもしれない。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Independent
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/enjoyment-of-trash-films-linked-to-high-intelligence-study-finds-a7171436.html
・Smash
http://www.smash.com/study-links-enjoying-crappy-movies-like-sharknado-higher-intelligence/

最終更新:8/21(日) 11:00

おたぽる