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闘莉王が五輪決勝で感嘆した“銀メダル”ドイツに流れる勝者のDNA 「ブラジルとは格が違った」

Football ZONE web 8/21(日) 21:25配信

母国がPK戦を制して悲願の金メダルも「正直ブラジルが負ける展開だった」

 リオデジャネイロ五輪男子サッカー決勝で、開催国のブラジルがドイツをPK戦にもつれ込む死闘の末に撃破し、サッカー王国史上初となる五輪金メダルを獲得した。元日本代表DF田中マルクス闘莉王は祖国ブラジルの悲願達成について、揺るぎない堅守と指摘。一方で圧倒的なアウェーで奮闘空しく惜敗したドイツの強さについて、「いまだブラジルよりも上だ」と独自の分析をしていた。

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「ブラジルにとっては本当に最高の展開になった。国中が盛り上がっている。スタジアムだけでなく、街もみんな大騒ぎ。正直見ていて、ブラジルが負ける展開だった。PK戦に持ち込まれて敗北を覚悟するほど、後半と延長戦はドイツの展開だった。ブラジルの優れた個人技を、パスワークで殺していた。ドイツはさすがだなと改めて感じさせられた」

 昨季限りで名古屋グランパスと契約満了となった闘莉王は現在、祖国ブラジルで自主トレを続けている。リオ五輪期間限定で「Football Zone Web」の特別解説を務めている闘将は、“マラカナンの歓喜”についてこう語った。

 ブラジルは前半28分、エースFWネイマールの完璧な直接FKで先制した。だが後半14分に、ドイツのMFマキシミリアン・マイヤーにゴールを許して追いつかれてしまう。

「決勝の重圧だね。選手も監督もプレッシャーを感じていた。この1点を大事にしようと考え過ぎたことが逆効果になった。自陣に引いてカウンターで取れればブラジルの展開になったけど、ドイツが落ち着いていた。(準決勝で6-0と勝利した)ホンジュラス戦の勢いそのままでいければ良かった。引いて守りに入ったことでブラジルの脆さが出た。ブラジル代表は精神的な弱さを抱えている。ワールドカップや南米選手権という舞台で長らく勝っていないから、余裕がない。だから、すぐに崩れる。嫌な展開だった」

優勝の最大の要因は6試合1失点の堅守

 ブラジルサッカー界は近年の国際舞台で、強さを示すことができていない。その最たる例が自国開催だった2014年のブラジル・ワールドカップ(W杯)であり、準決勝ではドイツに1-7という衝撃的な惨敗を喫していた。国際大会での成功体験の欠如が、チーム全体から落ち着きを奪ってしまう。ネイマールとガブリエル・バルボサ、ガブリエル・ジェズスという強力3トップがカウンターを仕掛けたが追加点を奪えずに、ドイツに追いつかれた。

 それでも勝ち星を手にできたのは、今大会を通して揺るがなかった堅守だという。

「チームは(決勝で喫した)1失点しか取られなかった。特にマルキーニョスとロドリゴ・カイオのセンターバックは、本当に良かった。両方とも素晴らしいパフォーマンスだった。失点の場面もセンターバックの責任ではない。あそこはボランチがプレッシャーに行かないといけない。(ドイツの)右サイドからクロスが入った時、(自陣ゴールに戻りながら守備をしていた)センターバックは左に体重がかかっていた。あそこは前に出て行けない場面だったので、ボランチが下がってスペースをケアしないといけない。国際大会では失点をしないチームが強い。それを日本も、いい加減学ぶべき。日本代表でも国際舞台で成功したのは守備が堅い時だけ。失点を減らせば、どんな対戦相手でも何が起こるか分からない」

 闘莉王はブラジルのセンターバックコンビが、栄光への水先案内人になったと振り返った一方、W杯王者ドイツに宿る“勝者のDNA”を感じずにはいられなかったという。

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最終更新:8/21(日) 21:46

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