ここから本文です

日本の社長と世界のCEOが見ている「未来」とは?

Forbes JAPAN 8/21(日) 9:00配信

世界最大級のプロフェッショナルファームであるPwC(プライスウオーターハウスクーパース)は、世界83カ国、1,409人のCEOを対象に実施した「第19回世界CEO意識調査」をまとめた。世界経済は、ブレグジット(イギリスのEU離脱)や中国経済の減速などによる景気への悪影響が懸念されている。このような局面で、日本を含む世界のCEOの意識はどのように変化しているのであろうか。



ー世界経済はいっそう不確実になっていると多くのCEOが感じているようです。

木村浩一郎(以下、木村):実は調査でも、世界のCEOに今後の見通しについて尋ねたところ、「改善する」と答えた割合は27%と、前回調査と比べ10ポイント低下しました。西欧を除いた全ての国で「改善」が低下し、「悪化」が上昇しています。特に中国・香港のCEOは、経済成長の減速を反映して悪化を見込む割合が拡大しています。世界経済は地政学リスクの増大などによる景気悪化が懸念されており、CEOは困難な舵取りを迫られています。

ー日本のCEOの見方はどう変化していますか。

木村:経済回復を見込むCEOの割合は、前回比10ポイント減の14%となり、大きく減っています。また、今後3年間の自社の成長性を聞いてみると、「非常に自信がある」と答えたCEOは33%と5ポイント低下しています。これは海外のCEOの49%を大幅に下回るものです。

ー先行きを不安視しているのでしょうか。

木村:必ずしもそうではありません。2010年調査をみると、今後1年間の売上高の見通しに「自信がある」とした日本のCEOの割合は44%でした。そのときの海外のCEOは81%です。ところが、今回調査では海外は82%と横ばいであるのに対し、日本は78%と大きく伸長しているのです。

日本では、この20年のデフレを経てもなお、容赦なくいろいろなリスクが顕在化しています。よって、過大な自信を持つようなことがあってはならないという意識が強いようです。そういう意味では控えめな見方になっていると思います。

ーそうしたなかで、CEOが成長機会を期待する国はどこでしょうか。

木村:世界のCEOが成長するうえで重要な国として挙げているのは、順にアメリカ、中国、ドイツ、イギリス、インドで、日本は7位です。一方で、日本のCEOは、アメリカ、中国、タイ、ベトナム、インドに注目しています。

ーアメリカ重視の傾向が続いていますね。

木村:特に、アメリカの場合はシリコンバレーでしょうね。世界的に影響力のあるIT企業やスタンフォードをはじめとする周辺の大学がつくり上げているエコシステム(生態系)は魅力的です。先日、出張でサンノゼに行ったときに面白いなと思ったことがありました。イノベーションをテーマにしたセミナーに出席したのですが、その後のレセプションパーティーで、スタートアップのCEOたちが、すごく活発にネットワーキングしていたんです。いたるところでタブレットを広げて自分が開発したソフトウエアを提案しているんですね。シリコンバレーには「ダイバーシティ(多様性)」を尊重する文化があり、失敗と学びを繰り返して新しいものをつくっていくダイナミックさがあります。たぶん、その2時間でいろいろなものが生まれているんだと思います。

ー日本と海外のCEOの顕著な違いはどこにありますか。

木村:大きな隔たりがみられるのはテクノロジーの活用方法です。海外のCEOはデータアナリティクスや顧客取引情報管理システムに力を入れています。一方で、日本のCEOは、研究開発やイノベーションへの投資を挙げる割合が多いです。研究開発を重視するのは昔から日本企業の特徴で、決算発表でもコスト削減策の次に出てくるのは決まって研究開発費を増やした話です。ただし、日本のCEOにはデータの活用に対する意識が低いという課題があります。

1/2ページ

最終更新:8/21(日) 9:00

Forbes JAPAN

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Forbes JAPAN 2017年1月号

株式会社アトミックスメディア

2017年1月号
11月25日(金)発売

890円(税込)

Forbes ID 無料会員登録を受付中!
今ならもれなく電子版最新号をプレゼント

Yahoo!ニュースからのお知らせ

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。