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書評|『Yoko Ono: One Woman Show, 1960-1971』:一人の伝説的な女性の生き方

ローリングストーン日本版 8/21(日) 11:00配信

前衛芸術家の軌跡

1933年生まれのオノ・ヨーコは20歳の時にアメリカに留学後、詩・音楽・パフォーマンス(ハプニング)など領域を横断する活動で日常とアートを結びつけようとした芸術運動フルクサスに参加しアーティスト活動を開始した。この時代に「踏まれるための絵画」が生まれ、64年には現代も読み継がれる伝説的なコンセプチュアルアート作品集『グレープフルーツ』を発表、国際的な評価を得るきっかけとなったパフォーマンス『CUT PIECE』(オノの衣装を観客がはさみで切り取る)を日本で行う。66年にはロンドンのインディカギャラリーで発表した『天井の絵』(脚立を登って虫眼鏡で天井に書かれた小さな文字を読む)のYesという一言がジョン・レノンの心を動かし、その後2人は活動を共にするようになった。

オノ・ヨーコが語る、ボウイとの思い出、ジョンとのエピソード

後にビートルズの解散の原因と噂されるほどオノがジョン・レノンへ与えた影響は大きく、2人は結婚後もプラスティック・オノ・バンドとして音楽活動をしながら、ベトナム戦争への反戦活動としてベッド・イン』(新婚旅行中のベッドルームに報道陣を招き平和についてのインタビューに答える)や「WAR IS OVER」(戦争は終わりだ、君が望めば)プロジェクトで世界中の都市にメッセージを掲げ多くの人々に多大な影響を与えた。

こうした激動の10年を経て、NYへ戻ったオノ・ヨーコは71年に非公式のパフォーマンスをMoMAを使って行ったことがあり(one woman show)、それから40年以上を経てオノの活動を紹介する初個展が正式にMoMAで開催された。その展示カタログである本書はオノの作品自体はもちろん、取り上げられた雑誌や新聞記事などを通して当時の反響の大きさを窺い知ることができる。前衛芸術家として誰もやっていないことを実現し、スーパースターの心を捉え、やがて世界中の人々の心を魅了することになった一人の伝説的な女性の生き方をそこに見ることができるだろう。

『Yoko Ono: One Woman Show, 1960-1971』
Yoko Ono
The Museum of Modern Art刊 ¥8,170

Kenichi Morita, Michiko Mamuro, Yuna Morita

最終更新:8/21(日) 11:00

ローリングストーン日本版

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