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【トイデザイナー】たかがおもちゃ、されどおもちゃ 子供だましでは生き残れない業界のキーパーソン

日本の人事部 8/22(月) 7:30配信

「コップのフチ子」「スマホのおふとん」「自由すぎる女神」――ポップで不思議な“おもしろガチャ”にハマっているという人も多いのでは? カプセルトイの販売機はすでに郵便ポストの数を超え、国内に20万台もあるという。ブームを支えているのは子供よりむしろ大人で、それは驚くほど精巧な模型やフィギュア、ゲーム、ハイテク玩具など、他のおもちゃにも共通する現象だ。オトナ心までひきつけてやまない「おもちゃ」は、どのようにして創られるのか。カギは「デザイン」。トイデザイナーの腕の見せ所である。

大人に照準――少子化にあらがい、市場を広げるデザインの力

6月、国内最大の玩具展示会「東京おもちゃショー2016」(主催・日本玩具協会)が、東京ビッグサイト(東京・江東)で開催され、期間中に16万人以上が来場するにぎわいを見せた。今やおもちゃもハイテク化が目覚ましく、国内外のメーカー160社が約3万5千点の玩具を出展した今回は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を手軽に体験できるなど、先端技術を取り入れた玩具がトレンドに。スマートフォンと連動させてバーチャルな宇宙空間を移動している気分が味わえるVR玩具や、手描きの絵が動き出すタブレッド型の知育玩具など、大人も思わず夢中になりそうな新製品が注目を集めた。

実際、玩具業界は“大人”を強く意識している。国内の玩具市場は、少子化という構造的な課題を抱えるが、日本玩具協会の調べによると、2014年度に過去10年間で最高の売り上げを記録し、翌15年度もほぼ同水準を達成するなど堅調に推移。「少子化の中でも玩具関連市場と玩具業界の可能性は大きなものがある」(同協会)のは、ハイテク玩具の台頭が示すように、各社が顧客層を子ども以外にも積極的に広げているからだ。たとえば、タミヤの自動車模型のロングセラー「ミニ四駆」は現在3度目のブーム再来に沸いているが、人気を支えているのは発売当時に小学生だった30代の大人だという。タカラトミーが先頃投入した定番商品「リカちゃん人形」の新製品も、20~30代前後の“オトナ女子”を主な購買層と設定。従来タイプより大人っぽいファッションや凝ったデザイン小物を使い、2倍近い価格で売り出した。

“子供だまし”ではもはや売れない、生き残れない――。大人向けの、あるいはマニア向けのマーケットの確立・拡大に伴い、業界内でますます存在感を高めているのが「トイデザイナー」の仕事である。トイデザイナーとは、おもちゃ専門のプロダクトデザイナー。商品の企画意図やコンセプトを理解した上で、全体のフォルムや細部の質感、素材や価格、使い方や安全性、収納するパーツや附属品の取り扱いなども念頭に置きながらデザインを突き詰め、アイデアを形にしていく。大人の嗜好と鑑賞にも堪えるプロダクトとしての完成度は、トイデザイナーのスキルにかかっているといっても過言ではない。その最たるものが、近年は“クールジャパン玩具”として訪日外国人の爆買いの対象にもなっている“ガチャガチャ”=カプセルトイや、プチサンプルと呼ばれる精巧なミニチュア・フィギュアだろう。凝った仕掛けやハイテク要素などがない分、大人の遊び心をくすぐるポップな発想やデザインセンス、高度な造形力がなおさら求められるのだ。

トイデザイナーは通常、玩具メーカーやその周辺企業の社内デザイナーであるため、個人の仕事が注目される機会は少ないが、大人のファンやマニアが増えるにつれて彼らの間で名前を知られるデザイナーが現れるなど、昨今はプロダクトデザイナーの中でも徐々に脚光を浴びる存在になってきている。

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最終更新:8/22(月) 7:30

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