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『逆転のカープ』へ導く、ヘーゲンズの存在感。見逃せない畝コーチのマネジメント力

ベースボールチャンネル 8/22(月) 11:00配信

先発ローテーションは基本中6日

 逆転勝利が36試合(8月19日試合終了時点)、今年のカープは粘り強い。ゲーム終盤まで何が起こるかわからない。だからこそ、マツダスタジアムを埋め尽くすファンはゲームセットまで席を立つことができないのである。

 もちろん、菊池涼介、丸佳浩のキクマルコンビからベテランの新井貴浩まで徹底された「つなぐ」攻撃によって逆転劇は演じられてきた。ただ、ゲーム終盤まで粘って逆転を待つ投手力も見逃すわけにはいかない。

 12勝をマークしている野村祐輔は好調の理由をこう分析している。

「今年は、相手に点を取られても1点でしのげていることです。1イニングに2点や3点取られるのでなく、1点で粘れているからゲームを作れているのだと思います」

 先発投手の軸が好調をキープできているのは、首脳陣のマネジメントによるところも大きい。野村祐輔、黒田博樹、クリス・ジョンソンらは基本的には「中6日」でまわることが多い。

 故障などによって先発陣が苦しくなった時も、首脳陣は、中村恭平や戸田隆矢、九里亜蓮ら若い力を起用し、ローテーションを大きく崩すことはなかった。

 そして、畝コーチは「中継ぎの踏ん張り」も高く評価する。

「先発が崩れた試合でも、中継ぎが粘ってゲームを作ってくれて逆転につながることも多いように思います」

中継ぎに先発にフル回転のヘーゲンズ

 中でも、新外国人のヘーゲンズの仕事ぶりには賛辞を惜しまない。

「開幕前は、ジャクソンから中崎翔太につなぐ勝ちパターンは計算が立っていましたが、そこにつなぐピッチャーになかなか目途がついていませんでした。そこにヘーゲンズがはまってくれたのは大きかったです。しかも、彼のポジションはイニングまたぎもあれば連投もあります。そんな中で十分にやってくれています」

 ヘーゲンズの登板数は中継ぎで44試合に達し、防御率も2点台前半をマーク、カープ躍進の大きな推進力になったことは間違いない。

 8月、彼に新たなミッションが課された。戸田隆矢や岡田明丈らの故障によって生じた先発陣の一角を担うことになったのだ。

 8月14日、DeNA戦、中3日で先発したヘーゲンズは5回1失点のナイスピッチング。持ち味であるストライクゾーンに動く球を投げ込むピッチングが「69球」という無理の少ない球数を可能としたのである。

 今シーズン、畝投手コーチがキャンプから投手陣に唱えてきたのは「入りの準備」であった。

「マウンドに上がって、先頭打者の1球目に自分の持てるベストを出すにはどうすれば良いか。そのための、調整であり準備をしっかり考えて欲しい」ということだった。

 スコアラー経験が長い畝コーチは、打者に対するミーティングで「入りの1球目」についてのアプローチに時間を割くことが多かった。裏を返せば、「ピッチャーも1球目が極めて重要」ということなのである。

 中継ぎに先発に、チームのためにフル回転のヘーゲンズは、どんな役割であれ、万全の準備で「その試合の1球目」に備えている。

 来日1年目のジェントルマンの献身と準備がカープの安定した戦いぶりを支えているのである。
 



坂上俊次

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:8/22(月) 11:00

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