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ポルシェ 911Rを試乗──NAとMTの組み合わせは、新たな時代の“究極の911”

GQ JAPAN 8/22(月) 23:03配信

最新911カレラがターボ化していくなかで、水平対向6気筒NAエンジンに、6段マニュアルトランスミッションを組み合わせ、伝統の名称『R』を冠した限定モデルが登場した。現代に蘇った911 Rとは如何なる乗り物か。ポルシェ本社のお膝元、ドイツ・シュツットガルトで試乗した。

【動画&フォトギャラリー:ポルシェ新型911Rをさらに詳しく】

世界の著名なスポーツカーの中でも、最も多彩なバリエーションの持ち主──恐らく、今ではそう紹介して間違いのないポルシェ 911シリーズの中にあっても、特に異彩を放つ最新のモデルがここに紹介する『R』グレードだ。

実は空冷時代の911にも短期間、そしてごくわずかな台数だけ、同名のグレードが生産された過去がある。徹底した軽量化が施されるなど、そもそもはモータースポーツのホモロゲーション獲得用に開発が行われ、実際にいくつかのコンペティションシーンで活躍した記録が残る、1967年に発売された911Rがそれだ。

デビューのタイミングに半世紀近い隔たりを持った同名の2台。その『R』の文字に込められたのは、もちろん“Racing”に由来をしたメッセージが基本。

一方で、現行991型GT3RSのメカニカルコンポーネンツを最大限に生かしつつ復活を果たした新型の場合、そこには同時に「ReduceやRefine、そしてRareという3つの意味も含まれいる」というのが、シュトゥットガルト本社でのインタビューに答えてくれた、同車のプロジェクトマネージャー氏によるコメントでもあった。

世界でわずかに991台という限定台数。そして、GT3RSをも上回る2629万円という価格などが、なるほど前出“Rare”の根拠でもあるのだろうと連想させられる、新型Rグレード。しかし、ハードウェアのベースとされたGT3系とは異なる大きな特徴は、実はそれが「サーキットでの絶対的な速さを追い求めてはおらず、最上級のドライビングプレジャーの提供を目指したモデルである」という点にある。

サーキットでのラップタイム短縮を最大の目的としたGT3RSをベースに、フードやフロントフェンダーにはカーボン素材、ルーフにはマグネシウム素材……と、言わば金に糸目を付けずに軽量化を追求したボディワークを採用。500psという最高出力を、8500rpmという高い回転数で発揮する強力な自然吸気水平対向6気筒エンジンも、同様にGT3RSから譲り受けた。

一方で、優れたラップタイムを得るために劇的な役割を果たすDCTを採用するGT3系に対し、わざわざ専用に開発されたMTを採用するのが、Rグレードのメカニズムで見逃せないポイントだ。

もちろん、シフト時のタイムロスは避けられない。にもかかわらず、敢えてMT化が図られたその理由は、変速タイミングの決定を筆頭にすべてのシフトワークをドライバーの操作に委ね、より自由で自在な操縦感覚を提供するため、と、そう説明されるのである。

前述のごとく高コストの素材もためらわずに用いることで、911シリーズ中での最軽量を達成。同時に、レーシングモデル由来のエンジンを、専用開発されたトランスミッションと組み合わせるまなど、ハードウェアは見どころ満載の最新911R。

が、そんなこのモデルのルックスがオプションアイテムであるボディストライプを除けば“意外に大人しく見える”のは、GT3系モデルでは最大のアイコンでもある固定式の大型リアスポイラーを、こちらのモデルは装備していないからにほかならない。

「あれは、高速時のスタビリティを稼いでラップタイム短縮に繋げるのが目的で、純粋な“ドライビングマシン”を狙うRグレードには必要のないもの」というのが、前出プロジェクトマネージャー氏が語るその理由。一方で興味深いのが、かくも軽量化に腐心をしながら、相当の重量増となるリアのアクティブステアリングシステムを、GT3系から踏襲して採用いることだ。

実は、これはRグレードならではのドライビングプレジャーを演出するための重要なアイテムなのだという。サーキットのラップタイム短縮にフォーカスしたGT3系とは異なるチューニングを施すことで、軽快で俊敏なハンドリング感覚を実現。それゆえ、約7kgというシステム重量を承知の上で採用に至ったと言う。

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最終更新:8/23(火) 0:06

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