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正社員は釣られた魚だから、賃上げは期待出来ないのか (塚崎公義 大学教授)

シェアーズカフェ・オンライン 8/22(月) 5:30配信

労働力不足が深刻化しはじめていて、非正規労働者の待遇が改善されつつあります。一方で、正社員の給料は、なかなか上がって来ません。景気も良く、企業収益も良いのに、なぜ給料は上がらないのでしょうか?何時になったら上がるのでしょうか?今回は、サラリーマンの賃上げについて考えてみましょう。

■非正規の待遇は労働力需給を映じて改善中
労働力不足が深刻化しつつあります。非正規労働者の待遇は、労働力需給を素直に映じて改善されつつあります。パートやアルバイトは、他社より高い時給を提示しないと人が集まらないので、労働力不足になると賃上げ競争が生じるからです。

毎月勤労統計によると、2015年の時給は1.5%程度、最近では前年比で2%程度上昇しているようです。これは大変望ましいことです。非正規労働者の待遇は、かつて主婦や学生の小遣い稼ぎであった時代の名残から、大変安く設定されています。

最近では、非正規労働で生計を立てる人が増えて来ていて、そうした人々が「ワーキング・プア」になってしまうので、待遇の改善が従来から待たれていたものです。また、正社員との「同一労働同一賃金」の観点からも、非正規労働者の待遇改善は望ましいと言えるでしょう。

しかし、せっかく景気が良いのですから、正社員の時給も上がって欲しいものです。こちらは昨年が0.3%、最近もボーナスが増えたおかげで1%近い上昇ですが、ボーナス以外はあまり増えていません。なぜ、正社員の給料は上がらないのでしょうか?

■会社は従業員の共同体か株主のものか
バブル頃まで、日本の大手企業は従業員の共同体であると思われていました。設立時に株主がお金を出してくれているので、御礼に心ばかりの配当をしていた、というわけです。

今でも、終身雇用制で、経営者の最重要任務は社員の雇用を守ることですから、本質は従業員の共同体だと言って良いでしょうが、バブル崩壊後に「グローバル・スタンダード」なる言葉が流行った事もあり、「会社が儲かったら社員の給料ではなく株主の配当に廻そう」という風潮になってきました。実際、最近では企業収益と賃上げ率が連動しなくなっているのです。

これまでは、「失業者が大勢いる中で、多少景気が良くなっても非正規労働者の待遇は悪いままなのだから、賃上げ要求など贅沢だ」ということだったのかも知れませんが、ここへ来て「非正規の待遇が上がっているのだから我々も」という期待が高まりつつあるわけです。

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最終更新:8/22(月) 5:30

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