ここから本文です

メダルはなくても。日本女子バスケが リオで見せた「夢のような」輝き

webスポルティーバ 8/22(月) 14:26配信

 バスケットボール女子日本代表”アカツキファイブ”がリオ五輪で放った輝きは、数字には現れず、メダルという形にもならなかった。それでも、準々決勝の対アメリカ戦(64-110)のスコア以上の何かを歴史に刻んだことは間違いない。

【写真】”100年にひとりの逸材”、走れて飛べる193cmの渡嘉敷来夢選手

 アカツキファイブの平均身長は、参加12チーム中最低。唯一の平均170センチ台のチームだった。

 すべてのポジションでミスマッチが発生し、特に2メートル台も珍しくないインサイドのミスマッチは、常時10センチ以上。一瞬でも気を抜けば大量失点は免れない。匙を投げてもおかしくはない体格差をはねのけることができたのは、司令塔でありキャプテンの吉田亜沙美の頭脳と技術、そして”100年にひとりの逸材”とも呼ばれる、走れて飛べる193cmの渡嘉敷来夢の存在が大きい。

 ただし、それだけが世界と伍すことができた理由ではない。アカツキファイブの強さの陰には”献身”があった。

 圧倒的な身長差のため、ペイントエリア内でオフェンスにポジションを取られることは、日本にとっては即失点を意味する。勝負はボールを持たれる前に決まる。スターターの間宮佑圭、控えで投入される高田真希らインサイド陣の頑張りは、数字にこそ残らないものの、いぶし銀の輝きを放った。

 ワールドクラスのビッグマンとのポジション争いは、格闘技の要素すら孕(はら)む。自分よりも大きな選手相手に体をぶつけポジションを譲らず、幾度となく肘を顔面や胸に浴びようとゴール下を死守。ふたりの献身、まさに自己犠牲がなければ、そもそも試合は体(てい)をなさなかっただろう。オフェンスではさほど目立たなくとも、間違いなく間宮、高田が、アカツキファイブの背骨だった。

 栗原三佳、本川紗奈生は2枚の翼だ。この両翼が、チームに躍動感を与えた。

 経験者ならわかるはず。懸命に守っての失点は、コートに視線を落としたくもなる。ふたりは、そんなコンマ数秒の時間すら惜しんで走り出した。失点、もしくはマイボールになった瞬間、既にコーナーを目掛けて全力で走り出している。PGの吉田からのパスが来ると信じて。もちろん、そのランの多くは徒労に終わる。しかし、その献身的なムダ走りのおかげで、相手チームは体力を削られ、さらにはマークマンのズレが生じ、日本のオフェンスが有利に展開できる足がかりとなる。アメリカ代表のエンジェル・マコートリーも、「コートの端から端まで日本の選手を追いかけるのは、本当に大変だった」と試合後に語っている。

 そして、やはりチームの2枚看板、吉田と渡嘉敷の存在なくしてアカツキファイブは語ることはできない。

 吉田は1試合のアシストが平均8.7本でランキングトップで、アシスト王に輝いた。渡嘉敷の平均17.0得点はランキング3位、平均6.3リバウンドは10位にランクインしている。

 各国のエースと遜色ない輝きを放ったふたりで行なうピック&ロールは、まさに教科書に載せたくなるほど基本に忠実かつ鮮やかだった。

1/3ページ

最終更新:8/22(月) 15:22

webスポルティーバ

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Sportiva

集英社

Sportivaムック
11月10日発売

定価 本体1,389円+税

フィギュアスケート特集
『羽生結弦 未来を創る人』
■羽生結弦 インタビュー、エッセイ
■羽生結弦 フォトギャラリー