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トランプの劣勢に胸をなでおろすフランスメディア

JBpress 8/22(月) 6:10配信

 米国の大統領選の投票日まで、いよいよあと約3か月となった。フランスのメディアも米大統領選に強い関心を示し、連日トップの扱いで報じている。

 現在、共和党候補のドナルド・トランプ氏は、民主党候補のヒラリー・クリントン氏に支持率で平均8ポイントの差をつけられている。フランスメディアはクリントン氏の優勢がこのまま続くと見ている。最近の各紙の見出しは次のような具合だ。

 「(トランプ)終わりの始まり」(右派系の「フィガロ」8月18日付)

 「トランプ、ファンの中だけの勝利」(中立系の「ルモンド」8月18日付、ウイスコンシンでの集会が大盛会だったことを皮肉っている)

 「トランプ、思想テスト」(左派系の「リベラシオン」8月16日付、イスラム過激派と戦う方法としてトランプが提案した移民の思想チェックに疑問を投げかけている)

■ フランスが米大統領選に大きな関心を寄せる理由

 フランスが米国の大統領選に強い関心を示すのは、米国が「世界で唯一の超大国」であるという理由のほかに、米仏が一度も交戦したことのない「永遠の同盟国」だからだ。

 米国は日本・ドイツとは第2次世界大戦で、イギリスとは独立戦争で、中国・ロシアとは冷戦で戦った。しかし、米国とフランスはこれまでずっと民主主義を基盤にした同盟国として足並みを揃えてきた。

 フランスは、ラファイエット将軍がアメリカの独立戦争を支援したことをいまだに自慢の種にしている。一方、米国は、第2次大戦中に連合軍を率いてノルマンディ上陸作戦を敢行、多数の犠牲者を出しながらフランスをドイツ・ナチスの占領から解放した。だから、イラク戦争でフランスが参戦を拒否した時、米国は「恩義を忘れたのか」とカンカンに怒ったのである。

 現在もフランスと米国は、英国などと共にシリア、イラクに派兵して「イスラム国(IS)」と交戦中だ。米国の次期大統領が誰になるかは、自国の外交政策、安全保障政策にに直接関係してくるだけに、フランスが大きな関心を寄せるのは当然だろう。

■ 「差別主義者」に厳しいフランス

 さて、トランプ氏の劣勢を伝える最近のフランスのメディアの報道から伺えるのは、一種の安堵感である。本来なら共和党候補を応援するべき右派系の「フィガロ」も、トランプ氏の支持率低下は当然の結果と捉え、「(民主党びいきが多い)米報道機関のバイアスがかかっている」というトランプ氏の主張を「幻想」だと切り捨てている。

 トランプ氏が昨年6月に予備選への出馬表明をした頃は、まさか共和党候補になるとはどのフランスメディアもまったく予想していなかった。トランプ氏がイスラム教徒を排除する発言を繰り返していたことが、その大きな理由である。

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最終更新:8/22(月) 6:10

JBpress

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