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ホリエモンが指摘する、「古い体質」の日本企業

BEST TIMES 8/23(火) 12:00配信

15万部突破・『99%の会社はいらない』(ベスト新書)でいまの会社に代表される組織の在り方を痛切に批判した堀江貴文氏。日本の進化を止めている、日本企業の「古い体質」の正体を伺った。

「ハンコが大事」という古いならわし

 ITの技術やツールを使えば、人件費を削減したうえでミスを減らせる作業は少なくない。しかし、一般の会社ではなぜかシステムを作ったり導入したりすることよりも、人に任せる方向に動きがちだ。
 古いやり方やシステムをそのまま使い続け、新しい仕組みやシステムを導入することに抵抗を感じる人が多いのだ。
 もしそれを導入しようものなら、初めてのことを覚えるのが面倒くさいのか、「その新しいシステムを使って、いままで使っていたシステムをどう再現するか」ということを考えはじめたりする。新しいシステムをそのまま使うのではなく、いままでの自分たちの形に合わせたものにしていく。これだと新しいシステムの良い部分までも捨ててしまうことになりかねないし、意味がない。
 僕もライブドアを経営していたときに新しいシステムをノーカスタマイズで導入したところ、現場から文句を言われた経験がある。表示されているデータは以前と同じものなのに、見え方が違うだけで「いままでの見え方に直さなきゃ」と思ってしまう人が多かったのだ。
 しかし、その見え方を直せばコストが発生してしまうのは当然のこと、時間もかかってしまう。しかも、システムの各部分を個別に修正していく必要があるので、それによってシステム全体のバランスが崩れ、後から問題が発生する可能性すらも孕んでいる。

 なぜ、このようなことが起こるのかというと、多くの会社の場合、上に立つものが物事をトップダウンで決められないからだ。
 これは日本企業の特徴なのだが、上層部の人間の多くが、社内における調整能力を評価されて出世したパターンが多い。これがアメリカであれば、違った結果になる。トップの方針に従わないとコミッションをもらえないこともあれば、場合によってはクビになったりすることさえある。
 僕が投資をしている会社のサービスに、企業とそのサプライヤーがクラウド上で、取引文書を集中管理するプラットフォーム「トレードシフト」というものがある。請求関係の書類のやり取りをインターネット上でできるサービスで、企業間でアクセスできるタイムラインに見積書や請求書が出てきて、オンライン上で処理していくというものだ。
 これを使うと煩わしい紙の処理がすべて電子化できるので、アメリカではナイキやDHL、ゼロックスなどの大手がこのシステムを採用している。しかし、日本での導入はなかなか進まない。
 その理由を聞くと、「社名ロゴの横に社印が捺印されていないから」だという。そんなことで大騒ぎしているのが日本の会社なのだ。なんともアホらしい話である。だが、日本企業の場合「社印は必要だ」と言って譲らない。
 そこで、こんな提案をしてみた。
「企業のロゴを入れる機能がありますから、ロゴの横に社印の画像データを組み合わせたデザインにするのはどうですか?」と。
 すると、手のひらを返したかのように「問題ない」ということになった。〝ハンコが押してある〞ということが大事だから「それでいい」というのだ。ハンコといっても、それは捺印ではなくただの画像なのに。
 ハンコ以外にも日本企業は、古い体質を変えられないことが多い。
 たとえば、手書きの領収証もそうだろう。どこでも買える同じような領収証に手書きで金額などを書き、ハンコを押す。会社では印字タイプのものではなく、その手書きが一番だとも言われる。
 でも、冷静に考えてみて欲しい。
 どこでも買えるような領収証の紙に、簡単に複製できる捺印、バイトが書いた手書き文字。そんな領収証など、正直、いくらでも偽造ができてしまうのではないか? それであれば、プリンターで印字したものの方がよっぽど信頼性が高いはず。
 もちろん、海外では偽造できてしまう手書きの領収証は認めてもらえず、プリンターで印字された明細書でないと認められなかったりする。
 このようなことは、日本が「ハンコさえあればOK」という謎の文化を持っているからだろう。昔からやってきた習わしから、一歩も外に踏み出せない。そして、こういった小さな障壁がさまざまなところで発生し、連鎖を起こし、日本の進化を止めている。
 それが日本企業、いや、日本そのものの姿だと言える。

文/堀江 貴文

最終更新:8/23(火) 12:00

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