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VRとARの最新技術が集結の「VRLAエキスポ」、スマホ活用の技術が続々登場

Forbes JAPAN 8/23(火) 8:00配信

世界最大規模のVR(仮想現実)とAR(拡張現実)のイベント「VRLA サマーエキスポ 2016」が8月5、6日、米ロサンゼルスで開催され、来場者数は6,000人を超えた。VR業界をリードする企業たちが最新の技術を披露しイベントは大いに盛り上がった。



「VRの盛り上がりにはとても興奮している。ゲームやエンターテイメントでVRの普及が一層進むだろう。教育などの分野でもVRの活用は進む。従来のエドテック(EdTech、Education Technologyの略)は知識を効率的に広め、習得度合いをテストすることに重点を置いていたが、VRは全く新しい学習体験を提供する」とスタートアップアクセラレータのブーストVCでパートナーを務めるジェフ・ワッソンは話す。

VR業界の急速な成長には、スマートフォンの普及が大きく寄与している。VRLAでは、多くのスタートアップがVRコンテンツをスマートフォンで手軽に楽しめる機器を発表した。中でも、「LucidCam」は消費者向けとしては世界初となるVR用3Dカメラを開発した。リーズナブルな価格設定で、誰でも簡単に立体視映像を180°撮影することができるのが特徴だ。

スマホ活用の技術が続々登場

「LucidCamはスマートフォンほどのサイズで単体で動作し、VRヘッドマウントディスプレイを接続可能だ。ノキアのOZOが6万ドルするのに対し、LucidCamは399ドルで数多くの機能を使うことができる」と同社の創業者兼CEOのハン・ジンは話す。

VRがこれまでより幅広い分野で応用されるようになったこともVRの普及を加速させている。例えば「Trinity VR」は野球のバッティング練習用にVRを活用しており、新たなデータを選手に提供することが期待される。

オンラインポーカーでもVRはイノベーションを起こしている。「Binary VR」は顔の表情をトラッキングする技術を開発し、対戦相手のアバターにリアルな表情を表現させることに成功した。

「我々は表情トラッキング技術によって、VRの世界でのソーシャルなエンゲージメントを飛躍的に向上させた。アバターにリアルな表情をもたせることで、ポーカーでブラフ(はったり)ができるようになるなど、より豊かなゲーム体験を楽しむことができる」とBinary VRの共同創業者兼COOのケネス・リューは話す。
--{ポケモンGO余波でAR分野も急成長}--
VRでリアルな没入感を体験するためには、映像技術だけでなく音響技術も重要になる。VRLA では、「Sennheiser」が新たな音響技術を紹介して注目を集めた。

「VRの音響技術はまだ黎明期にあるがコンテンツ制作者たちはその重要性に気が付き始めている。我々が開発したAMBEO VR Micは、コンテンツ制作に新たな価値を提供する」とSennheiser Strategic Innovationでユーザーエクスペリエンス・リサーチャーを務めるブライアン・グラクコックは話す。

VRLAではAR分野でも興味深い新技術が数多く紹介された。例えば、FLARBのラルフ・バーバガロは、マイクロソフトのホロレンズ向けコンテンツ「Ether Drift」の開発について講演し、大きな反響を呼んだ。

「何百人もの人がEther Warsのデモに参加してくれたが、大半の人にとっては初めてのAR体験だったようだ。ホロレンズは視野角が狭いなどの制約条件があるが、現実世界の壁や天井、床にバーチャルな物体が当たって跳ね返る様子に皆とても驚き、ゲーム体験に満足してくれた」とバーバガロは話す。

ポケモンGO余波でAR分野も急成長

ポケモンGOが証明してみせたようにARは大きな成長可能性を秘めている。「AR技術の進化によってあらゆる場所が物語の舞台となり、これまでにないインタラクティブな方法でストーリーを語ることができるようになった。可能性は無限大だ」と脚本家で作家のブラッド・キーンは話す。

キーンはまた、ARの未来を次のように予測する。「将来的にはテレビやモニターが必要なくなるかもしれない。個人用のスクリーンを使って同じコンテンツを他人と共有したり、ARグラスを装着して大きなスクリーンに映し出されたコンテンツを皆で視聴するような時代が到来するかもしれない」
--{鍵を握るのはストーリーテラー}--
The Venture Reality Fundの共同創業者兼ゼネラルパートナーは、VR技術の進化によって、ユーザーがコンテンツを消費するだけでなく、自らがクリエイターになることが可能になったと指摘する。

「VRLAで最も注目を集めた企業の一つがVisionary VRだ。彼らが開発したMindshowというプラットフォームは、誰もがVRを使って自分のストーリーをアニメーションで表現できる。また、TheWaveVRはVR空間でのEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)体験を通じてDJとファンがつながる技術を開発した。VRは人々がこれまでにない創造性溢れる方法で自己表現することを可能にした」とChennavasinは言う。

VRとARの登場によって、ユーザーはこれまでにない視覚的・聴覚的な刺激を得ることが可能になったが、技術がいかに進化しようと、優れたコンテンツの鍵を握るのはストーリーテラーだ。

「VRやAR技術で、聴衆は私の作り出した物語の世界を直観的に体感し、その人ならではの思い出を残すことができる。聴衆は物語の展開を傍観するだけでなく、積極的に参加することができる。それは、時間、空間、人間の感情が重なり合う広大な世界だ」と映像監督でマルチプラットフォーム・ストーリーテラーのエヴェット・ヴァーガスは話している。

Curtis Silver

最終更新:8/23(火) 8:00

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