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マンUから漂う「黄金時代の香り」。モウリーニョ、イブラ、ポグバがもたらしたものは?

SOCCER DIGEST Web 8/23(火) 19:29配信

イブラヒモビッチはレジェンドが体現した凄さ、巧さ、気高さを一身に併せ持つ。

 今シーズンからマンチェスター・ユナイテッドの指揮を執るジョゼ・モウリーニョに課せられた第一の使命は、優勝候補としての復活。その期待通りに開幕2連勝を飾ったチームは、早くも「プレミアリーグ随一の強豪風」を匂わせる。
 
 黄金期となったサー・アレックス・ファーガソン時代のマンチェスター・Uには、伝統の攻撃力に加えて強力な背骨と気骨があった。ファーガソン勇退を境に7位、4位、5位と低迷した過去3年間は、その心身両面での強さが欠けていた。
 
 しかし、今シーズンは違う。原動力は新戦力だ。ビジャレアルから獲得したCBのエリック・バイリーは、2年前にネマニャ・ヴィディッチが去ってからチームが失った屈強さを最終ラインに加え始めている。
 
 ユベントスから4年ぶりに、しかも史上最高額の移籍金で復帰したセントラルMFのポール・ポグバは、1993年に加入して黄金時代の礎となったロイ・キーンのように、タックルもドリブルもシュートもパスもいける新エネルギー源となりうる。
 
 そして、パリSGから移籍金ゼロで加入した新エースのズラタン・イブラヒモビッチは、26年ぶりのリーグ優勝を果した1992−93シーズンの前線で、マーク・ヒューズとエリック・カントナが体現していた凄さ、巧さ、気高さを一身に併せ持つ。
 
 ポグバとイブラヒモビッチの「ブロマンス」は、ムードの良さも醸し出している。8月19日のサウサンプトン戦(○2-0)でも、ヒーローインタビューで仲の良さを垣間見せた。
 
 イブラヒモビッチが、ハットトリックが可能だった自身を差し置いてシュートを打ったポグバに、「パスしろよ。次はパスするよな? パスだ」と茶々を入れれば、ポグバは「俺だってパスするってば」と笑いながら、マン・オブ・ザ・マッチのトロフィーを2得点のCFに手渡した。
 
 

凄腕代理人ミーノ・ライオラの剛腕エピソード! ポグバ移籍の裏話

選手起用から垣間見えるモウリーニョの巧みな手腕。

 代理人(ミーノ・ライオラ)が共通で面識のあった両者だが、その境遇はやはり新加入のヘンリク・ムヒタリアンも同じ。良い意味での我の強さと、空威張りとは言わせない実力の高さを持つ似た者同士が強烈に惹かれ合っているようだ。
 
 かといって、他の主力が新たな両主役の裏でくすんでいるわけでもない。好例がウェイン・ルーニーだ。
 
 PKもイブラヒモビッチに譲っているが、右外まで開いての完璧なクロスでサウサンプトンからの先制点をアシストした姿が、名脇役として貢献する意気込みを窺わせた。キャプテンとしてプライドを維持させている点は、モウリーニョの巧妙さとも言える。
 
 その新監督は、マンチェスター・U新監督就任に際してファーガソンから「雨傘と、いつものワインを持って来るように」と言われたという。モウリーニョは古巣チェルシーの監督時代、ホームゲームだった初対決でクラブがワイン通のファーガソンの口に合わないボトルを用意した「失礼」を恥じて以来、母国産赤ワインの年代物をオールド・トラフォードに持参するのが仕来りだったのだ。
 
 モウリーニョは「まだ素晴らしいと言えるレベルではないが、少なくとも過去2、3年との違いは明らかなはずだ」と語っている。ヴィンテージ風の魅力ある「レッズ」を自作して、ファーガソンを喜ばせる日も遠くはなさそうだ。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。


 

最終更新:8/23(火) 19:37

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北朝鮮からの脱出
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