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INORAN:音楽人としての決意と覚悟「ロックはメインにいなきゃいけないんだよ」(後編)

ローリングストーン日本版 8/23(火) 12:05配信

来年、ソロ活動20周年を迎えるINORANの11枚目となるニュー・アルバム『Thank you』が、8月24日にリリースされる。

INORAN:人生観を込めた『Thank you』は「まだまだ長い旅の途中」(前編)

インタヴュー後編では、ロック・ミュージシャンとしての今後のビジョンはもちろん、あまり言葉で語られてこなかった一音楽人としての決意や覚悟を、INORANに聞いた。

—本アルバムのリリース・パーティー(以下、リリパ)で、日本にはあまりない音楽文化、それこそリリパみたいな文化を広めていきたいって話していましたよね。確かに日本の音楽業界って、アメリカに比べてビジネスとして華やかさに欠けているのかなと思います。

単純に考えて、音楽を聴いている人口、音楽を愛している人口が減っているわけじゃないので、CDの売り上げが落ちているという現状には、僕らミュージシャン側にも責任があると思ってます。「変えましょう!」って言っても明日から変わることじゃないけど、何年か後には変わるかもしれない。例えばライヴに関して、「今は土日しかお客が入らない」と言うけど、そういう風にしたのは俺らだし。

—日本の音楽産業自体にも手詰まりな感じはあるし、CDも売り上げが落ちて、フェスも飽和状態。SEALDsがフジロックに出ることに対して"政治を持ち込むな"っていう人もいたり。業界全体がこじんまりとしているというか。

ロックってさ、華やかで当たり前じゃん。今は水泳競技だって選手の入場は派手でしょ? 音楽だけ遅れているのはおかしいよね。邦楽洋楽とかの問題じゃなくて、外から取り入れられるものはどんどん取り入れたほうがいい。もちろん規制はあって、アメリカみたいに自由じゃない部分もあるけど、そこから変えていかないと本当に変わらない。責任を持てない大人が増えすぎたんだよ。

どんな業界でも、メインにいる人の影響力ってすごいんですよね。だから悔しかったらメインにいかないといけないし、負けるのが嫌だったら勉強して努力もしないといけなしいし。業界全体が、夢を見ることに迷子になってるという感じがする。好きなものを作って売れるのか、売れてから好きなものを作るのか。結局、どっちも売れないといけないわけで。たくさんの人に主義主張を知ってもらわないといけないし、そのためにはもっとショービズに行くべきだし。それから、アメリカはファッションと音楽が対等で刺激し合ってるけど、日本は音楽がファッションに負けてる感じもあるよね。

—例えば、TOSHI-LOWみたいに音楽をやっている理由を政治色いとわずに全面に出すタイプもいますよね。その真逆じゃないけど、INORANはロックの華やかさにスポットライトを浴びせたいという気持ちが強いのでしょうか。言ってみれば、"華やか担当"みたいな(笑)。

おれはそんな大それた人間じゃないけどね(笑)。でも、先人にもらった音楽を初めて聞いた時の衝撃から始まり、"プロになりたい""武道館やりたい"とか、"こういう風になりたい!"っていう気持ちって大切だと思う。華やかさもそのひとつだよね。

東日本大震災の時に、あるミュージシャンに「LUNA SEAはビッグバンドなのに、なんで何もやらないの?」って言われて言い合いになったことがあるんですよ。何年か後に後悔もしたけど、みんながみんな同じ方向に向く必要はないと思うんですよ。音楽業界にも大きなファミリーツリーがあって、自分の担当というか、どこで俺が頑張るべきかは常に意識してる。俺自身に強い主義主張はないかもしれないけど、俺はTOSHI-LOW君のようなスタンスは全然肯定派だしリスペクトしてる。じゃあ俺の担当が何かといえば、チャラチャラ担当かな(笑)。

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最終更新:8/23(火) 12:15

ローリングストーン日本版

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