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「店員の名札論争」から考える、個人情報を開示して接客するリスク。(福谷恭治 商売力養成コンサルタント)

シェアーズカフェ・オンライン 8/24(水) 5:00配信

読売オンライン内に立てられた「販売店員の名札に、苗字やフルネームの表記はやめてほしい」というトピックスが注目を浴びています。ほとんどの店舗従業員の胸に着けられている名札は、今後どのように扱えばいいのでしょうか。

■フルネーム表記を苗字表記に変えれば、本当に安全なのか

『話題になっているのはYOMIURI ONLINEの「発言小町」に2016年8月2日に立てられた「販売職の名札に苗字はやめてほしい」というトピック。コンビニ、スーパー、ドラックストア、レストラン、カラオケなどで店員が苗字、もしくはフルネームが書かれたネームプレートを付けているけれども、それがストーカー被害につながったり、ネットで名指しされ悪口を言われたり個人情報を晒される可能性もある。これについて「自分も被害者だ」という賛同の意見が寄せられる一方で、自分の名前を隠すというのは働くものとしての常識を逸しているという反対意見も多い。
J-CASTニュース 店員にフルネーム名札は危険か 読売オンラインで大論争 2016/08/09』


確かにストーカーという言葉が一般化する20年ほど前から、店舗従業員が着けている名札のフルネーム表記は徐々に減少し、苗字のみの表記が目立つようになりました。特にこの傾向は女性スタッフを多く抱える外食チェーンなどでは顕著で、女性従業員がストーカー犯罪に巻き込まれないよう、名札のフルネーム表記を正式に禁止している企業も数多く存在します。

もちろん名札のフルネーム表記を苗字だけにしたからといって、ストーカー被害がなくなるわけではありませんが、氏名の情報を半分に減らすことで個人を特定する為の難度は単純に上がります。また、今までフルネーム表記だったものが、名前に比べて個性を感じにくい苗字のみに変わることは、犯罪抑止という観点でいえば、犯罪予備軍に対して「我々は無防備ではない」という印象を与えることにつながりますので、一定の効果は期待できます。

ただ、このような「名札の苗字表記化」という流れが起こったのは、現代のようにインターネットが普及する前の話だという事実は忘れるべきではありません。現在のネット環境やSNSなどを利用すれば、フルネームのような個人を特定しやすい情報がなくても、苗字さえあれば職場名や地域などを組み合わせることで、個人情報にたどり着くのはさほど難しい話ではありません。名札の苗字表記化によって得られる犯罪抑止力は、20年前に比べると低下していると考えるのが妥当でしょう。

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最終更新:8/24(水) 5:00

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