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米大統領選から考える表現の自由

Wedge 8/24(水) 12:20配信

 現地リポートの2回目は、「クリントン陣営のトレーニング(2)」です。
クリントン陣営には、戸別訪問(キャンバシング)のベスト・プラクティス(最高のやり方)に関する台本が存在しています。その台本に基づいて、有給のスタッフとボランティアのリーダーが筆者のような運動員を対象にトレーニングを実施しています。同陣営は、戸別訪問のやり方を「やるべきこと」「やってはならないこと」及び「覚えておくこと」に分類しています。

 本稿では、クリントン陣営の戸別訪問のやり方を紹介します。その上で、表現の自由と戸別訪問について考えてみます。

やるべきこと

 まず、戸別訪問で「やるべきこと」から説明しましょう。2012年米大統領選挙におけるオバマ陣営と同様、クリントン陣営もボランティアの運動員に対して、「有権者名簿にリストされている有権者を全員訪問する」ことを強調しています。というのは、ボランティアの中に標的となっている有権者をすべて回らず、やり残してしまう運動員がいるからです。前回の大統領選挙で、リストされた有権者の10%ぐらいしか訪問しなかった運動員がいました。筆者は自分の担当地域に加えて、彼の訪問地域にも赴き有権者の家のドアを叩いて、名簿を仕上げなければなりませんでした。

 次に、当然ですが「好意的な態度で標的となっている有権者に臨む」があります。さらに、「有権者の家のベルを鳴らしてからドアを2回叩く」もルールの一つです。「台本を棒読みせずに、自分の言葉で心から語る」は、効果的なコミュニケーションをとる上で欠かせません。前回の「クリントン陣営のトレーニング(1)」で説明しました「コミットメントカード(約束カード)を回収する」は、クリントン陣営の戸別訪問における最重要課題となっています。

 以上に加えて、正確にデータを収集するように指示が出ています。標的となっている有権者が不在の場合は「NH(Not Home)」、死去は「DC(Deceased)」、スペイン語のみ話すは「SP(Spanish)」、移転は「MV(Moved)」のそれぞれの欄にチェックを入れます。スペイン語のみ話す有権者に対しては、ヒスパニック系の運動員が後日訪問することになっています。11月8日の投票日直前に、移転した有権者の家を訪問しないように、予め把握しておく必要があるのです。

 暗証番号がないと入口のロックを解除できないマンションや番犬がいる場合は「IN(Inaccessible)」、空き家は「VC(Vacant)」の欄に記入します。標的となっている有権者の中には、回答を拒否する有権者も少なくありません。その場合は、「RF(Refused)」の欄にチェックします。運動員は、拒否した有権者の家を再度訪問しませんので、本当に回答を拒んだのか、それとも単に忙しかったのかを慎重に判断しなければなりません。

 クリントン陣営は、コミットメントカードを回収すると共に、12年米大統領選挙及び14年中間選挙で蓄積してきたデータを最新のものにする目的で戸別訪問を実施しています。地上戦におけるデータの量と質の双方において、与党民主党は野党共和党に勝っており、アドバンテージの1つになっています。

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最終更新:8/24(水) 12:20

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