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第16回広島国際アニメーションフェスティバル、グランプリは韓国作品 日本作品は『FEED』『サティの「パラード」』『ナポリタンの夜』が受賞!

おたぽる 8/24(水) 18:01配信

 8月22日、広島市・JMSアステールプラザにて第16回広島国際アニメーションフェスティバルの受賞発表と閉会式が行われた。今回のグランプリには『The empty(空き部屋)』(大韓民国/フランス)が輝いた。

 グランプリ獲得を受けて登壇したダヒ・チョン監督は「皆さん本当にありがとうございました。何て言ったらいいんでしょう。フェスティバルの審査員の方々や友だちに会えて深く感謝しています」と、感極まっていた。

 気になる日本作品は国際審査委員特別賞(全6作品)に『FEED』(岡崎恵里)、優秀賞(全6作品)に『サティの「パラード」』(山村浩二)、『ナポリタンの夜』(坂元友介)が選ばれた(坂元監督は欠席)。

 大学の卒業制作作品として制作された『FEED』。その岡崎監督は「私が初めて作った作品で、こんなに素敵な賞をいただけけて本当にビックリしています。ご指導いただいた野村先生も見てくださっていると思います」と、声を詰まらせながら語った。

『サティの「パラード」』の山村監督は「今回の作品はあんまり賞を期待していなかったところがありましたが、本当にありがとうございます。受賞は『パラード』の曲のお陰だと思います。演奏を素のまま何も加工せずに使えたアニメーションですので感謝を捧げたいと思います。残念ながらこの世にいないアーティストですけど」と、笑いを誘った。

 講評にて審査委員長のクリスティーヌ・パヌーシュカは「60作品を鑑賞しましたが、それぞれがどれも特別で優れた作品ばかりでした。あと54個の賞があればいいのにと思うのですが、残念ながらそうはいきません。慎重かつ入念な審査の結果、私たち国際審査委員は今回の受賞作品を決定しました」と、審査の状況を明かした。

 そして「どれも私たちが愛するアニメーションというアートの未来への道を照らしてくれる作品たちです。本当に素晴らしいフェスティバルです。私たちはこうして参加することができて名誉に、そして光栄に思います。皆さん本当にありがとうございました」と挨拶を終えた。

 国際名誉会長のジャン=フランソワ・ラギオニーは総評で「作者の皆さんと同じくらい感激しています。そして何よりもこれほど豊かで多様な作品群を観られたことに感動しています。このように絵的な、または詩的な豊かさを私たちに与えてくれるのは、短編アニメーションしかありません」と訴えた。

 続けて「これらの作品は世界を変えることができるのでしょうか? そんなことはないかもしれません。しかしながら少しずつ1コマづつ、どの作品もそれなりに暴力や醜さに対する抵抗を提示してくれています。(フェスティバルディレクターの)木下小夜子さん、そして私たちの抵抗行為をこんなにも寛大に受け入れて公開してくれる広島国際アニメーションフェスティバルにお礼申し上げます」と、広島フェスの“作風の自由度”にも言及した。

 続く閉会式では木下が「本当にお陰様で第16回大会、無事に終了できました。私はいつも人に訊ねられると、広島のオーディエンスの皆さまが自慢だと言ってます。作家の皆さんが一生懸命制作してきた作品を、本当に真剣に大事に観ていただくくこと、その拍手で作家の皆さんが『また作って広島に来たい』と思わせてくださっています」と、来場者に深謝した。

 あわせて「スポンサーなど協賛してくださる方々には、深く深くお礼申し上げます。引き続きよろしくお願い致します。それから私たちのスタッフ、ボランティアのチームの方々ありがとうございます。いつも私はみんなを信じてやっていけることがとても幸せです」と補足した。

 今回はフェスティバルにおける短編作品の歴史だけでなく、日本における短編作品の歴史を総覧できる「日本特集」が組まれたのも特色。閉会式後の記者会見では、山村監督が自身の作品と絡め、「今年はサティ生誕150周年、そして『パラード』の作曲が始まってから100周年、その初演が始まってから来年が100周年といったアニバーサリーであるのと、来年が日本の漫画映画が始まってから100年目に当たる年だというのもあります。サティのCDを聴いて、そして孤独なアーティストとしての人生、その2つから何か表現できないかなと昔からプランを練っていたんですけども、カートゥーン的な表現でサティの世界を表せるんじゃないかなと閃いたところから作品がスタートしました」とコメント。

 続けて「今回は初日、日本の『なまくら刀』から始まった歴史のプログラムから4つほど続いた後にコンペティションでの上映となったんですが、論理的ではないクレイジーで不思議な魅力のある日本の漫画映画の系列の中で、理解してもらえたらうれしいなと密かに思っていました。作っていた時には久里洋二さんや古川タクさんのことを考えたりしていたので、制作のモチベーションとなったキッカケと受賞とがつながってうれしく思います」と、振り返った。

 このほかの各賞はヒロシマ賞に『Among the black waves』(Anna Budanova:ロシア)、デビュー賞に『Yul and the Snake』(Gabriel Harel:フランス)、木下蓮三賞に『Peripheria』(David Coquard Dassault:フランス)、観客賞に『The Gossamer』(Natalia Chernysheva:ロシア)などの結果になった。
(取材・文/真狩祐志)

■広島国際アニメーションフェスティバル
http://hiroanim.org/

最終更新:8/24(水) 18:01

おたぽる

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